曇り。寒い。
「祇園会」の芸妓と舞妓とを描き分けその手それぞれに美しきもの
圧巻は「女人卍」。淀君を中心にして阿国・ガラシャに一葉・千代女
描きしはジェンダー論を観るごとしそれぞれに凛とした美しさある
『孟子』縢文公章句60-2 堯舜既に没し、聖人の道衰ふ。暴君代る作り、宮室を壊りて以て汙地と為し、民安息する所無し。田を棄てて以て園囿と為し、民をして衣食するを得ざらしむ。邪説暴行又作る。園囿・汙地・沛沢多くして、禽獣至る。紂の身に及んで、天下又大いに乱る。周公、武王を相けて、紂を誅し、奄を伐ち、三年其の君を討ず。飛廉を海隅に駆りて、之を戮す。国を滅ぼす者五十。虎・豹・犀・象を駆りて、之を遠ざく。天下大いに悦ぶ。書に曰く、『丕いに顕かなるかな文王の謨。丕いに承げるかな武王の烈。我が後人を佑啓して、咸正を以て欠くること無からしむ』と。
文王の謀、武王の烈咸正を以て欠くることなく正を行なふ
川本千栄『土屋文明の百首』
無産主義に吾はあらねど草山はゴルフリンクに遮断されたり 『山谷集』
<私は無産主義ではないけれど草山はゴルフリンクに遮断されている。(それを見るのは嫌な気分である。)>
昭和五年「六甲山」より。昭和四年の世界恐慌の影響から日本に昭和恐慌が起こり、庶民の生活は脅かされていた。同じこの頃のゴルフは、日本における歴史がまだ浅く、まさにほんの一握りの裕福な人々の遊びだった。そんな一部の金持ちのために山がゴルフ場に遮断され、自分のような貧しい者は自然を楽しむこともできない。無産階級の主義を支持するわけではないがと断りながら、富裕層への不快感を歌にしている。
ふるさとの盆も今夜はすみぬらむあはれ様々に人は過ぎにし 『山谷集』
<ふるさとの盆の行事も今夜には終わってしまったのだろう。あわれなことであるが、様々に人は生き、死んでいった。>
昭和五年「八月十六日」より。この連作では、明け方に目覚めて人の生死について思いを巡らせる様子が描かれている。今夜は盆であったが、今年も帰省しなかった。この二、三年、肉親の祖母や父だけでなく、同級生だった芥川龍之介や先輩歌人古泉千樫など、何人もの知人が亡くなっている。故郷の人も様々な死に方をした。いつか来る自分の死へも、思いは至ったのだろう。