2月14日(土)

朝から晴れ。15℃くらいになるらしい。

  自家用車に横浜ハーバーの工場へ詰め放題の台に妻がゆらぐ

  詰め放題は女性ばかりが挑戦す台を囲みてビニール伸ばす

  平均値に及ばず横浜ハーバーたち不満を言へどせんかたもなし

『孟子』離婁章句下97 孟子曰く、「人為さざる有り、而る後以て為す有る可し」

  孟子は言ふ人ならば不義をなさずしかる後たいへんな事業をなさむ

『梁塵秘抄』植木朝子編訳

弥陀の御顔(みかほ)は秋の月 (しやう)(れん)(まなこ)は夏の池 四十の歯ぐきは冬の雪 三十二相(さんじふにさう)春の花
(法文歌・仏歌・二八)

【現代語訳】阿弥陀如来のお顔は秋の月のように明るくまろやか。青蓮華のような青い眼は夏の池のように涼しげ。四十の歯は冬の雪のように真っ白。仏の備えた三十二相は春の花せんこうするのように華麗であるよ。

【評】仏の備えている三十二の身体的特徴(三十二相)を、四季の景物にあてはめて讃美した一首。第三句までの比喩表現は、『大般若経』以下、色々な経典に見られるが、源信(九四二~一〇一七)の『往生要集』巻中で阿弥陀のさまを四十二に分けて描写するところに、「六には、面輪…端正皎潔(白く清らか)にして、猶し秋月の如く、…九には、仏眼は青白にして…青きは青蓮華に勝れり、…十二には、四十の歯は…白きこと珂雪(白瑪瑙のような真っ白な雪)に逾えたり」とあることが、広く知られる契機になっていると思われる。また、今様に先行する仏教歌謡の中にも同様の例が見られ、当該今様の成立に大いに影響与えたとを考えられるが、たとえば「法成寺金堂種修正教化」第七夜、三十二相に、仏の御相好は 法界に満てりと聞くより 夏の池に鮮やかなる蓮 靑蓮の眼とぞ覚りける 如来の御相好は 仏刹に偏しと承れば 秋月の満てるも 満月の御容かとぞ見え給ひけるとある。「青蓮」とは、青い蓮華のことで、『大般若経』妙相品には、「諸仏の」とある。すなわち眼相は修広なること譬へば青蓮華の葉の如し」とあって、仏の眼が青蓮華の葉のように長く大きいことが記され、『注維摩詰経』(維摩経の注釈書として現存最古のもの)仏国品には「天竺に青蓮華あり。其の葉、修くして広し。青白分明たり」とある。すなわち、天竺にある青蓮華の葉は長く大きいことに加えて、葉の色が青と白とにはっきり分かれているとされ、それが仏の眼の形容になったのである。

このように、「葉」が問題にされていた仏典に対して、日本の教化や今様では、青蓮華の「花」の涼しげな様に焦点が当てられている。当該今様では、青い蓮の花のような眼がさらに夏の池に譬えられており、先にあげた教化では、夏の池に鮮やかに咲きだした青い蓮の花が仏の眼の比喩となっている。真夏に、池の中から咲く蓮は、それだけでも涼しげであるが、日本で一般に見られる、白や紅、桃色の蓮ではなく、青い蓮といえば、さらに清涼感が増であろう。鴨長明(一一五五?~一二一六)の編んだ仏教説話集『発心集』の巻三には、極楽往生した徴として、悪人・源大夫の舌の先から「青き蓮の花」が一房咲き出ていたという説話がある。いささかグロテスクではあるが、三十二相と関わって、もっぱら「葉」に注目されていた青蓮華の「花」に焦点を当てた日本の古典文学の例として興味深い。「歯ぐき」とは、現代語とは異なり、歯そのものを指す。一二世紀の辞書『類聚名義抄』(観智院本)には、「歯」の訓として「ハクキ」が見える。

人間の歯は三十二本であるが、仏はそれより多い四十本も歯を持っているのである。 三十二相を「春の花」そのものに譬える例は見出せず、当該今様の独創的な点といってよいかと思われる。たとえば『東寺修正作法裏書教化』には「春を迎ふごとに如来の三十二相をぞ讃め奉り給ひける」とあって、三十二相をほめたたえることと、春の季節感が結びつけられてはいるが、仏の姿そのものを春の花に譬えた当該今様は、より一層鮮やかな印象があり、一首に雪月花をそろえた華やかさを持つ。

偏屈房主人
もともと偏屈ではありましたが、年を取るにつれていっそう偏屈の度が増したようで、新聞をひらいては腹を立て、テレビニュースを観ては憮然とし、スマートフォンのネットニュースにあきれかえる。だからといって何をするでもなくひとりぶつぶつ言うだけなのですが、これではただの偏屈じじいではないか。このコロナ禍時代にすることはないかと考えていたところ、まあ高邁なことができるわけもない。私には短歌しかなかったことにいまさらながら気づき、日付をもった短歌を作ってはどうだろうかと思いつきました。しばらくは二週間に一度くらいのペースで公開していこうと思っています。お読みいただければ幸い。お笑いくださればまたいっそうの喜びです。 2021年きさらぎ吉日

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