朝から雨、寒くなるらしい。
ジャニス・ハレット(山田蘭訳)『アルパートの天使たち』、やっとこさ読了。ロンドンにおこるカルト集団の悲劇だが、18年前の設定になっていて、内容もいわゆる地の文がなく、メールやチャットを多用した、変わった構成で文庫全751頁、なかなか読みでがあった。しかも主人公だと思っていた女性が、最後に射殺されてしまうという驚愕の展開とその助手が事件の真相を解きながら、すべてを明かさないのだ。しかし、おもしろかった。
このままに死の方へゆくわが肉體滅びかゆかむこのまま朽ちむ
死といふものわからなければただ怖しいつのまにかに意識失ふ
死を想ふ時多くなる病めばなほこのおとろへのなんとかならぬか
『論語』衞靈公三八 孔子曰く、「君に事へては、其の事を敬し其の食を後にす。」
主君に仕えるには、何よりもその仕事を慎重にして、俸禄のことはあとまわしにする。」
君に仕へてはそのことを敬し俸禄については後まわしにせよ
『古事記歌謡』蓮田善明訳 七五 作者未詳
船の破損した後は、それで塩を焼いた。また焼け残った木片で琴を作ってみたところ、その琴の音が七里のも聞こえたという。それで歌に、
枯野を 塩に焼き 枯野をもって塩を焼き
其が余り 琴に作り 余りをもって琴作り
搔き弾くや 由良の門に かき弾き鳴らせば由良の海峡の
門中の海石に 振れ立つ 海峡中の石に浸木も
浸漬の木の さやさや 揺れ当る音のさやけさよ
枯野もちて琴をつくれば由良の門の浸漬の木さへもさやさやと鳴る