朝から曇り、時々雨。寒い。
ひよどりの姦しき声。塵を出す妻とわれらの頭上を移る
あけぼの杉の冬木の枝にひよどりの二羽が来てゐるやかまし、姦し
ひよどりが低きところを移りゆくいまだ春には遠き日々なり
『論語』陽貨一〇 孔子、伯魚(孔子の子、鯉)に謂ひて曰く、「女周南と召南を為びたるか。人にして周南・召南を為ばずんば、其れ猶ほ正しく牆に面して立つがごときか。
『詩経』の国風の最初の二地方の歌。道徳的なものか。塀をまん前にして立っているようなもの。何も見えていない。一歩も前進できない。
『詩経』にある周南、召南を学びたるかこれなくばまるで牆にたたずむ
『古事記歌謡』蓮田善明訳 百四 雄略天皇
この饗宴の日に、また春日のヲドヒメが酒を奉る時に、天皇が歌った、
水灌ぐ 臣の嬢子 臣のおとめが酒をつぐ
秀罇取らすも かよわい手つきでしっかりと
秀罇取り 堅く取らせ 重そな酒器手に持って
下堅く 彌堅く取らせ しっかりともて しっかりと
秀罇取らす子 酒器捧げて酒つぐ子
これは「盞歌」である。
臣の嬢子が酒をつぐ重そな酒器を手にもってしっかりとして酒をつぐ