雪だといっていたが、おおかた雨。そして寒い。
鳩は嫌いだ。
偉さうに中庭のどこかに鳩のこゑいづこか見えねど憎き鳩来る
いづこからかまたいづこにか鳩数羽偉さうに鳴くマンションどこかに
鳩が鳴くいづくかに鳴く分からねどたしかに二羽の相寄り合ひて
『論語』衞靈公四〇 孔子曰く、「道同じからざれば、相ひ為に謀らず。」
「志す道が同じでなければ、たがいに相談しあわない。
まあ、そうだね。
志す道おなじからざれば相ひ謀ること決してなからむ
『古事記歌謡』蓮田善明訳 七七 イザホノワケノ命(履中天皇)
波邇賦坂に着いて、難波の皇居を望むと、皇居の焼けている火が、まだ赤々と見えている。そこで、また歌をよんだ。
波邇賦坂 わが立ち見れば 波邇賦の坂にわれ立ちて
かぎろひの 燃ゆる家群 見れば盛りと燃え上がる
妻が家のあたり 妻が家あるそのあたり
波邇賦坂に立ちてわが見れば燃え盛る妻が家あるあたりなるかも