今日も雨、やがて曇るようだが、どうだろう。寒い。
春がきたからとコートを脱ぐいささか寒く堪へがたきかも
マフラーも毛糸の帽子も脱ぎすててさねさしの空を仰ぐなりけり
本を読む速度遅々たるものなれどやうやう月に七冊を読む
『論語』陽貨一三 孔子曰く、「郷原は徳の賊なり。」
村で善い人といわれるものは、いかにも道徳家に見えるから、かえって徳をそこなうものだ。
なるほどとは思うものの、村には、そういう人ばかりではないだろう。
孔子言ふ郷原は徳の賊なりされどされども果たしてさうか
『古事記歌謡』蓮田善明訳 百九 ヲケノ命
かくて、この二王子が皇位におつき遊ばされようとするころのことである。平群臣の祖先の志毘臣は、歌垣に出て、ヲケノ命のお婚しになろうとする少女の手を取った。その少女は莵田首の娘で、オホヲという名であった。ヲケノ命は歌垣に出場されてまず
潮瀬の 波折を見れば 沖の波間にぽかぽかと 鮪が泳ぐをよくみれば
遊び来る 鮪が鰭手に 途方もないぞ鰭かげに
妻立てり見ゆ わたしの妻が立っている
潮瀬の波折を見ればその鰭のかげにわたしの妻が立ちをり