朝方は寒かったものの、だんだん暖かくなる。
眉月の時があった。
見えぬほどの眉月残るみんなみの空水の色ただ平らかに
眉月といふ美しき日本語に思ひ到れり如月の朝
ただ無心に空を仰げば朝空の高きにほ繊き眉月浮かぶ
『論語』衞靈公三七 孔子曰く、「君子は貞にして諒ならず。」
君子は正しいけれども、馬鹿正直ではない。
諒は信の意味。ここでは善悪を考えずにどこまでもおし通すこと。
孔子が言ふ君子とは正しいけれども馬鹿正直にあらず
『古事記歌謡』蓮田善明訳 七四 タケノウチノ宿禰
こう語り申し上げて、琴を拝借して、さらに歌うのであった。
汝が御子や つひに知らむと わが皇子の 御代を継ぐとて
雁は卵産むらし その瑞祥 雁の卵産むか
これは「寿歌の片歌」である。
わが皇子の御代つがむとするその瑞祥に雁は卵産む寿ぎの歌