薄曇りで、太陽は出ず、寒い。
むすめが来て祖母の部屋を整ふるいくつものごみを平気で捨てる
一応は整ひしかも母の部屋腰弱くなればベッドを入れる
天気よき朝に燃やすごみを捨てにゆく母の部屋よりこぼるるごみを
『論語』季氏第十六 一 季氏、将に顓臾を伐たんとす。冉有・季路、孔子に見へて曰く、季氏、将に顓臾に事あらんとす。孔子曰く、「求(冉臾)よ、乃ち爾是れ過てること無からんや。夫れ顓臾は昔者先王以て東蒙の主と為し、且つ邦域の中に在り。是れ社稷の臣なり。何を以てか伐こと為さん。冉有曰く、「夫の氏これを欲す。吾れ二臣は皆欲せざるなり。孔子曰く、「求よ、周任に言あり曰く、力を陳べて列に就き、能はざれば止むと。危うくして持せず、顛って扶けずんば、則ち将た焉んぞ彼の相を用ひん。且つ爾の言は過てり。虎兕、柙より出で、亀玉、櫝中に毀るれば、是れ誰の過ちぞや。」冉有が曰く、「今夫れ顓臾は固くして費に近し。今取らずんば、後世必ず子孫の憂ひと為らん。」孔子曰く、「求よ、君子は夫のこれを欲すと曰ふを舎ひて必ずこれが辞を為すことを疾む。」丘や聞く、「国を有ち家を有つ者は寡なきを患へずして均しからざるを患へ、貧しきを患へずして安からざるを患ふと。蓋し均しければ貧しきこと無く、和すれば寡なきこと無く、安ければ傾くこと無し。夫れ是くの如し、故に遠人服せざれば則ち文徳を修めて以てこれを来たし、既にこれを来たせば則ちこれを安んず。今、由と求とは夫の子を相け、遠人服せざれども来たすこと能はず、邦分崩離析すれども守ること能はず、而して干戈を邦内に動かさんことを謀る。吾恐る、季孫の憂ひは顓有に在らずして蕭牆の内に在らんことを。」
子路と冉有は季子を補佐する立場なれど季孫の心配ごと屏の内にあり
『古事記歌謡』蓮田善明訳 八〇 八一 キナシカルノ太子
また、
笹葉に 打つや霰の 笹葉に霰が音立てて
たしだしに 率寝てむ後は 降って打つ様にしっかりと
人議ゆとも 抱き寝たあとは人言が 何とうるさくあろうとも
愛しと さ寝しさ寝てば きみとほんとに寝たあとは
刈薦の 乱れば乱れ 情がたとひ刈薦と 乱れようともかまわない
さ寝しさ寝てば ほんとにきみと寝た上は
これは「夷振の上歌」である。
愛すべき人と相寝て乱るればさ寝しさ寝てばきりもあらず