2022年2月9日(水)
なんのひょうしか昔作った歌の上の句だけを思いだした。大学三年の冬、万葉旅行の最終日の歌会に提出した歌だ。下の句は亡失したので、20歳の上の句に65歳の下の句を付けてみた。 五、六羽を翔たせてひびく森深くいにしへ飛鳥の古墳...
なんのひょうしか昔作った歌の上の句だけを思いだした。大学三年の冬、万葉旅行の最終日の歌会に提出した歌だ。下の句は亡失したので、20歳の上の句に65歳の下の句を付けてみた。 五、六羽を翔たせてひびく森深くいにしへ飛鳥の古墳...
今朝は2℃からはじまったが、寒いことに変わりはない。 伊東潤『首獲り』、『戦国鬼譚 惨』を読む。信玄亡き後の武田家の内部崩壊のなんと無惨なことか。 滅びゆく武田一族のなれの果て卑怯・鄙劣の性(さが)あはれなり いつのまに...
奇妙な夢と悪夢に悩まされた。メスシリンダーにピペット。夢から覚めたらまた今日も寒い。 夜の灯を消せばとつぜんうしなへる方位感これも老いの徴(しるし)か 倒れ込み妻の寝床にのしかかる妻は動ぜずそのままゐねぶる 相模川を渡る...
今日は格別に寒い。立春はすぎたが、まだまだ寒い。 冬の朝はげしく羽をはばたかせひかりをまとふてすずめ翔びたつ 歌人の下村光男さんが亡くなっていたらしい。「かりん」2月号の田村広志さんの歌により知った。ネットを探ると昨年の...
雲が多い。だから寒い。 火喰鳥のかたちの雲が迫りくる冬空高く奇怪(きつくわい)きっくゎい 北の部屋にスノーボールがおいてある。 玉ゆらのスノーボールの街のなか死者住むところか雪ふりつづく ニューヨークのビルが逆さにころが...
立春なれど寒い。 植木屋の鋏が入り庭木々の枝の切り口ひかりするどし しづかなる時の流れに鴨どりの群がるごとしひろがるごとし
今日も寒い。 冬木々の森のあひだをかけぬける時間の鳥の朝の一声 呉明益(ウ・ミンイー)『歩道橋の魔術師』読了。1980年代の台北の中華商場の少年少女たちの不思議な世界を描いたこの小説にわたしは魅了された。 台北の昔に遊ぶ...