2021年6月21日(月)

雲があるものの、晴れ間ものぞく。しかし蒸し暑い。 一階の部屋の方から、シクラメンの花を分けていただく。   くらやみにシクラメン匂ふ一階のフロア時の間空間ゆがむ 『時をかける少女』だな。   野の鳥の求婚のこゑが鳴きかは...

2021年6月20日(日)

雨ではない。 3年前になるか、これらの石を拾ったのは。その石の絵を描く。   糸魚川河口に翡翠を探りしに翡翠に似たる石や拾ひ来(く)   翡翠ではなけれど海辺の石なればさすらひの石やさしき魂魄   父の日やなにか違ひのあ...

2021年6月19日(土)

梅雨の雨が朝からつづく。妻の夢の今朝の主人公は私であったという。なんとパリを訪れていたそうだ。奥本大三郎『ランボーはなぜ詩を棄てたのか』を読んでいたからだろうか。妻は私の魂がパリの街をさまよいたがてっていることを察知して...

2021年6月18日(金)

野口富士男「なぎの葉考」、何年ぶりだろうか、やっぱりいいなあ。魔性の娼婦の回想のなんともエロチックなこと。浮島の森の不思議。熊野を案内する中上健次の風姿が印象的な短編だが、読み終わるくらいになると涙がが出そうだ。 この小...

2021年6月17日(木)

横須賀短歌会の6月歌会。楽しかったものの、往復に時間がかかる。遠いなあ。   もじずりの紅(こう)とつばなの白銀を詠むうたありき胸にひびくも   半島の夏のみどりは荒くして海へ出て征くイージス艦も   天に去る鳶のこゑい...

2021年6月16日(水)

午前中は曇っていたが、昼を過ぎて雨が落ちてきた。昨夜あたりから耳を澄ますと蛙の声が聞こえてくる。   めぐりには田の見えねども夜の曇りに蛙(かはづ)頻(し)き鳴く喧(かまびす)しく鳴く   遠田には蛙鳴くなり青ペンキぬり...

2021年6月15日(火)

よい天気だが暑くなりそうだ。昨夜は暑く、寝苦しかった。ひさしぶりの例の悪夢に醒める。   夜の車の通過する音――。凶々しき鳥の音(ね)にまがふ、悪夢に覚めて   夜の寝相悪しくして腕に痺れあり、頬に皺ありのたうちまはるか...