2024年11月1日(金)

今日から11月だ。一年が早い。空は晴れているが、やがて雲が多くなり、雨が降るらしい。

  手の甲にも老班があるいつのまにか老いの極まるわれにあらずや

  陰毛にも白きと黒木が混じりをりああわが軀老いたるかなや

  夜に起きる回数ふえて年寄りと気づくわれには妻もおなじく

『論語』顔淵二三 子貢、友を問ふ。孔子曰く、「忠告して善を以てこれを道びく。不可なれば則ち止む。自ら辱めらるること無かれ。」

  本当の友なればいつか気づく。さにあらねば則ち縁をきるべし

『春秋の花』 久坂玄瑞
・竜田川、むりに渡れば、紅葉が散るし、渡らにゃ聞かれぬ、鹿のこゑ
    ↓
・むかし思へばアメリカの/独立したのもむしろ旗/ここらで血の雨ふらせずば/自由の土台が固まらぬ」 秩父事件にかかわる民謡。
    ↓
・やや遠きものに思ひし/テロリストの悲しき心も――近づく日のあり。 啄木

「支配権力側の理不尽が、しばしばそのような境地に、被支配者側の自覚的な単数ないし複数の精神を、追い詰めるのである。(深く肯う。)

  たひらかなる世を望みたるわれなれど時にテロルを思ふことあり

2024年10月31日(木)

ひさびさに朝から晴れている。う~ん、気持ちの良い空だ。JR相模線の音も心地よい。

  われが(み)にまつはりきたる蜆蝶小さきものは誰がたましひ

  清らなる水色の蝶まつはり来今泉重子汝がたましひか

  曇天にくろぐろと立つあけぼの杉夕暮れなればあやしき葉むら

『論語』顔淵二二 樊地、仁を問ふ。孔子曰ふ。「人を愛す。知を問ふ。」孔子曰ふ。「人を知る。樊地未だ達せず。」孔子曰ふ。「直きを挙げて諸れを枉れるに錯けば、能く枉れる者をして直からしめん。」

樊地退きて子夏に見へて曰く、「嚮に吾れ夫子(孔子)に見へて知を問ふ、子(孔子)の曰はく、「直きを挙げて諸れを枉れるに錯けば、能く枉れる者をして直からしめん」と。「何の謂いひぞや。」子夏が曰く、「富めるかな、是の言や。舜、天下を有ち、衆に選んで皐陶を挙げしかば、不仁者は遠ざかれり。湯、天下を有もち、衆に選んで伊尹を挙げしかば、不仁者は遠ざかれり。」

  樊地には孔子の言はむつかしく子夏説くところ具体的なり

『春秋の花』 吉井勇
・秋のかぜ馬楽ふたたび狂へりと云ふ噂などつたへ来るかな 『昨日まで』1913
 馬楽は落語家。吉井の短歌といえば、なぜかまず掲出歌を思い出す。
・秋の夜に紫朝を聞けばしみじみとよその恋にも泣かれぬるかな  
・うつらうつらむかし馬楽の家ありしところまで来ぬ秋の夜半に
    *
・夏ゆきぬ目にかなしくも残れるは君が締めたる麻の葉の帯

  金木犀の香りも失せて秋になるなぜかさびしき夕暮れ時は