2025年3月9日(日)

朝は寒いものの、きのうより八度上がるそうだ。きのうは、ほんとに寒かった。

北方謙三『風樹の剣』、日向流五部作の一冊目である。この一冊で充分楽しめた。祖

父・日向将監、父・日向森之助、そして日向景一郎の物語。将監が死に、父を殺す旅に出る景一郎、いったい何人を殺すのであろうか。こんなふうに殺さなければ、生きていかれない時代、日々もあったのだろうか。それにしてもせつない。

  このコップ何に見えるか答へよと父に問はれし幼きわれなり

  松の幹に縛りつけられし幼きわれに悪を見出でし父にあらむか

  わが友らの前に立ちつつこの軍刀振り下ろしたる父がありにき

『論語』季氏二 孔子曰く、「天下道あれば、則ち礼楽征伐、天子より出ず。天下道なければ、則ち礼楽征伐、諸侯より出づれば、蓋し十世にして失わざること希なし。大夫より出づれば、五世にして失わざること希なし。陪臣国命を執れば、三世にして失わざること希なし。天下道あれば、則ち庶人は議せず。

  天の下に道ある時は平民はまつりごとの批判せざりき

『古事記歌謡』蓮田善明訳 八二 アナホノ皇子

アナホノ皇子はいよいよ軍兵を起こして、オホマヘヲマヘノ宿禰の家を囲んで、宿禰の門に至った時に、雹が盛んに降ってきた。それで歌った。
大前(おほまへ)小前(をまへ)宿禰が 金門(かなと)(かげ)      大前小前の宿禰らの 金門の陰に雨よけよ
かく寄り(こ)ね 雨立ちやめむ    雨もそのうちやむだろう

  大前小前の宿禰らの金門陰に雨よけよ雨もそのうちやむだらう

偏屈房主人
もともと偏屈ではありましたが、年を取るにつれていっそう偏屈の度が増したようで、新聞をひらいては腹を立て、テレビニュースを観ては憮然とし、スマートフォンのネットニュースにあきれかえる。だからといって何をするでもなくひとりぶつぶつ言うだけなのですが、これではただの偏屈じじいではないか。このコロナ禍時代にすることはないかと考えていたところ、まあ高邁なことができるわけもない。私には短歌しかなかったことにいまさらながら気づき、日付をもった短歌を作ってはどうだろうかと思いつきました。しばらくは二週間に一度くらいのペースで公開していこうと思っています。お読みいただければ幸い。お笑いくださればまたいっそうの喜びです。 2021年きさらぎ吉日

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