朝は寒いものの、きのうより八度上がるそうだ。きのうは、ほんとに寒かった。
北方謙三『風樹の剣』、日向流五部作の一冊目である。この一冊で充分楽しめた。祖
父・日向将監、父・日向森之助、そして日向景一郎の物語。将監が死に、父を殺す旅に出る景一郎、いったい何人を殺すのであろうか。こんなふうに殺さなければ、生きていかれない時代、日々もあったのだろうか。それにしてもせつない。
このコップ何に見えるか答へよと父に問はれし幼きわれなり
松の幹に縛りつけられし幼きわれに悪を見出でし父にあらむか
わが友らの前に立ちつつこの軍刀振り下ろしたる父がありにき
『論語』季氏二 孔子曰く、「天下道あれば、則ち礼楽征伐、天子より出ず。天下道なければ、則ち礼楽征伐、諸侯より出づれば、蓋し十世にして失わざること希なし。大夫より出づれば、五世にして失わざること希なし。陪臣国命を執れば、三世にして失わざること希なし。天下道あれば、則ち庶人は議せず。
天の下に道ある時は平民はまつりごとの批判せざりき
『古事記歌謡』蓮田善明訳 八二 アナホノ皇子
アナホノ皇子はいよいよ軍兵を起こして、オホマヘヲマヘノ宿禰の家を囲んで、宿禰の門に至った時に、雹が盛んに降ってきた。それで歌った。
大前小前宿禰が 金門陰 大前小前の宿禰らの 金門の陰に雨よけよ
かく寄り来ね 雨立ちやめむ 雨もそのうちやむだろう
大前小前の宿禰らの金門陰に雨よけよ雨もそのうちやむだらう