春の陽気になるという。
北方謙三『降魔の剣』読了。日向景一郎シリーズ2である。おもしろくはあったが、景一郎が強いことは、『風樹の剣』で分かっていた。その意味で緊迫感が少し欠けているようにも思える。
鉄馬や森太郎にも多く触れ、杉谷や町方、薬剤師、医師、あるいは庄内藩の出方なども興味深くはある。それにしても景一郎は、いったい何人の人を斬るだろう。
朝靄にパティオの木々は明けてゆくあけぼの杉も夏つばきの木も
それぞれに花を咲かせる準備あり枝に尖り芽けばけば弾丸
椿にはすでにあまたの花着けて葉のみどりのうちに赤きを隠す
『論語』陽貨二 孔子曰く、「性、相ひ近し。習へば、相ひ遠し。」
生まれつきはにかよっているが、しつけ(習慣や教養)でへだたる。まあ、そういうこともあるが、近年の教育は、できるだけ平等にしたいと俺は思ってきた。しかし、この世界はままならぬことばかりだ。
ままならぬこと多かれど孔子言ふ「性、相ひ近し、習へば遠し」
『古事記歌謡』蓮田善明訳 九六 アカキコ
また、
日下江の 入江の蓮 日下の入江に咲き盛る
花蓮 身の盛り人 蓮のような若人の
羨しきろかも 花の歳こそうらやまし
そこで、この老女に、物をたくさん賜って帰した。右の四首(九三・九四・九五・九六)は「静歌」である。
日下江の蓮のごとき若人のすめらみことの羨もしきろかも