いやあ、晴れた。ひさしぶり、いいねえ太陽の光り。
髭面の爺はわれなり木にあまた赤き花咲かす椿を廻る
ひょろひょろに傾きかたむきひょこひょことうごめくやうな足弱われなり
山茶花の花の赤きが散り落ちてあまたの赤き花びらを踏む
『論語』陽貨一四 孔子曰く、「道に聴きて塗に説くは、徳をこれに棄つるなり。」
道ばたで聞いてそのまま道で話して終りというのは、よく考えて身につけようとしないのだから、徳を棄てるものだ
道ばたに聴きてそれで終りといふならばそれこそ徳を棄つるに似たり
『古事記歌謡』蓮田善明訳 百十一 シビノ臣
(百六)こう歌って、その歌のあとを求められると、志毘臣は、
大魚よし 鮪突く海人よ わたしを鮪と言わば言え 鮪突きたいと思っても
其があれば 心恋しけむ 少女はわたしが取っている
鮪突く鮪 さぞかし恋しいことでしょう
少女はわたしが手にあらむさぞかし恋しいことでしょう