2025年4月6日(日)

午前中は晴れているようだが、昼頃には雨に変わるらしい。

上田早夕里『上海灯蛾』読了。全編586ページ。なかなかに苦労したが、おもしろかったんだろう。最後は、涙しながら読み終えた。この構想力には感心する。

  上海租界を描き分けフランス租界と日本租界と

  吾郷次郎と楊直の阿片畑の話題わくわくどこどきたのしまざらん

  結末は次郎も死して寂しきに上海の海しづかなりけり

  中庭を風抜けて春の気配する少しく気温も高くなりゆく

  まだ冬の枝、幹さらすあけぼの杉枝の尖り芽やや春立つか

  息ややに楽になりゆくこの二、三日われもたのしく春をよろこぶ

『論語』陽貨一六 孔子曰く、「古者、民に三疾あり。今や或いは是れ亡きなり。古への狂や肆、今の狂や蕩。古への矜や廉、今の矜や忿戾。古への愚や直、今の愚や詐のみ。

  古へと今との違ひ三疾もひどくなりたり狂・矜・愚ぞ

『古事記歌謡』蓮田善明訳 百七 顕宗天皇
命は、
大匠(おほたくみ) 拙劣(をじな)みこそ      大工の仕事が拙いので そんなことにもなったのだ
隅傾けり          おまえもすこしは気のきいた 大宮仕えするがよい

  大工仕事が拙いのでこんなことにもなったのだもっと気の効く仕事をせねば

偏屈房主人
もともと偏屈ではありましたが、年を取るにつれていっそう偏屈の度が増したようで、新聞をひらいては腹を立て、テレビニュースを観ては憮然とし、スマートフォンのネットニュースにあきれかえる。だからといって何をするでもなくひとりぶつぶつ言うだけなのですが、これではただの偏屈じじいではないか。このコロナ禍時代にすることはないかと考えていたところ、まあ高邁なことができるわけもない。私には短歌しかなかったことにいまさらながら気づき、日付をもった短歌を作ってはどうだろうかと思いつきました。しばらくは二週間に一度くらいのペースで公開していこうと思っています。お読みいただければ幸い。お笑いくださればまたいっそうの喜びです。 2021年きさらぎ吉日

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