2023年2月10日(金)

午前7時近くから降り始めた雪は、午後1時くらいまで降っていた。その後は雨   風、雪に右に左に翻弄され老いにはつらき駅までの道   荒蕪地の草枯れのうへにいっときを雪たばしれりここはいづくぞ 『老子』下篇59・60   ...

2023年2月9日(木)

朝、西の空に薄青い、少し欠けはじめた月が長く残っていた。風があって寒い。   ひむがしの空ほのぼのと明けてくる今朝は屈託すこし寡なし   くらげ色の残りの月を背景に群れとぶ鳩の家群(やむら)に消えつ あゆみ橋を渡る。  ...

2023年2月8日(水)

曇りがちだけれども、晴れ間もある。柚月裕子『暴虐の牙』上・下読了。呉寅会の暴力騒動を描いて、恐ろしいほどの圧倒的な迫力がある。   なにゆゑにかくも凶暴になりたるか沖虎彦をあはれかなしむ   柚月裕子の極道描く小説の容赦...

2023年2月7日(火)

朝は曇っていたが、春らしい空模様になった。   紅梅の花を見つけてふりむけば白梅あまたの花着けてをり   残り汁の豆腐食らふて春昼餉(ひるげ)老いのこころの穏やかならむ 『老子』下篇55 「赤子、蜂蠆虺(はちさそり)蛇(...

2023年2月6日(月)

春めいて、よき日である。朝、六時過ぎ、円形に近い月が西空の高いところにかがやき残っていた。   円にちかき昨夜の月の残りをり。午前六時の暁闇の空   西空に耿々と残る月の色。ひむがしはやうやうだいだい滲む   なんとなく...

2023年2月5日(日)

昨日はいささか春めいたようであったが、今日は雲があり、寒い。NHK「日曜美術館」は、亜欧堂田善、江戸時代後期の洋風画家、銅版画家であった。日本の洋画初期の人。   亜欧堂田善といふ名のおもしろさ洋風画のなかの棒立ちの人 ...

2023年2月4日(土)

春めいた日である。少し暖かいか。筒井康隆と蓮見重彦との対談・往復書簡『笑犬楼vs偽伯爵』を読む。なんだか共感を装っただまし合いのようで、読み物としてはきわめて面白いが。   老作家と老文学者とのばかしあひ、かくも愉快に宿...