2022年3月9日(水)
空気は冷たい。しかし春の明るさは感じられる。小さな蚊のような虫が窓に、網戸にへばりついている。外は冷たいが、家の内の温かさが窓や網戸には伝わるのだろう。 蚊のやうな小さな虫がへばりつく網戸をゆらすいまいましげに サンダル...
空気は冷たい。しかし春の明るさは感じられる。小さな蚊のような虫が窓に、網戸にへばりついている。外は冷たいが、家の内の温かさが窓や網戸には伝わるのだろう。 蚊のやうな小さな虫がへばりつく網戸をゆらすいまいましげに サンダル...
ようやく春の気候になりかかっているところ、今日は寒い。冬の気温だ。 西風(にし)吹けば余りにつよく吹きすさぶ老いの痩せ軀(み)はただ立ち尽くす 春田打ち終へたるところ増えてきて海老名田んぼに土色の風
母の90歳の誕生日である。卒寿も珍しいものではなくなったが。 牛蒡色に枯れゆく九十(ここのそじ)路(じ)の老女(おうな)なり神(しん)のごときかわが老いし母 白梅の花の蓬けてかすむ路地ぬけてしづけし水の流るる
モデルナのせいか注射をうった左腕が痛いというか重い。椿の花が落ちている。 夏目漱石『草枕』を読む。学生時代に読んでいるはずだが、なんにもわかっていなかったのだろう。これまた凄い芸術家小説だ。洒脱な俳味もあって、いっぽうで...
今日は啓蟄だそうだ。だからだろうか何か腹の中がもぞもぞするような。ワクチン接種3回目にもいってきた。 虫だつた過去をぼんやりおもひだす葉つぱなつかし葉脈に触る 肩肌に注射の針の痛みあり春の風はげしき小川に近く
砂原浩太朗『黛家の兄弟』を読む。『高瀬庄左衛門御留書』に次ぐ神山藩シリーズ。黛家三兄弟の顛末、このどんでんがえし圧巻であった。 小説に没頭したる数刻を息詰めてゐしかほっと息吸ふ さきばしる暦にやうやく追ひつけり紅梅散りて...
まだ寒いけれど、たしかに春の空気である。 短髪の黒髪風になびかせて追ひこしてゆく自転車二台 えりくびのあたりみじかく髪なびけ自転車乙女春したがへて 1922年3月3日、全国水平社創立、今日はそれからちょうど100年になる...