10月10日(金)

涼しい。歩くと暑い。   突然に秋めく日あり。桜木の枝から落ちるさくらのもみぢ   散りはじめふらりぽつりと流れゆくさくらの古木の幹に手をやる   さくらのもみぢを踏むわれもけもののごとき喜びにゐる 『孟子』公孫丑章句2...

10月9日(木)

寒いくらいだ。台風が南方をかすめている。 砂原浩太朗『雫峠』を読む。六編の短編からなる一冊だが、定番の神山藩もの。「雫峠」に切迫感があり、逃れる二人に行く末も暗示している。おもしろいのだ。   今日もまた公園のけやき樹に...

10月8日(水)

涼しいが、27℃まで上がるらしい。   少し濡れたる砂地を歩く。わづかな足跡まっすぐに行く   曇天の朝の公園しづかにてけやきを透す太陽見えず   いつもならば公園のけやきの木を透し朝のひかりのまぶしきばかり 『孟子』公...

10月7日(火)

曇りだが涼しいのだ。 綱淵謙錠『刑』を読む。古本の文庫本。短編七編を編集したものだが、綱淵らしい歴史小説である。いくつかは最後の首斬り山田浅右衛門吉亮を描いたもので、なかなか凄い。戦慄する。ただ私に興味深く思われたのは永...

10月6日(月)

今朝も昨日と同じように涼しい。昼も同じ。   愛欲に溺れて何が愉しかろ地獄へ堕ちても悔いなかりけり   赤飯を喰ひすぎて地獄の古き構造をおもふ。夕べの雨過ぎてゆく   祝いもなく赤飯喰へばなんとなく心たのしも身体もはずむ...

10月5日(日)

涼しいが、どうだろう。28℃まで上がる。   公園のけやき大樹に繁りあふ枝葉を透し朝の陽が差す   ひむがしの平野にはあやしき雲のゐるあやしきひかり湛へながら   鳥の声なにかおしゃべりするごとくいくどもいくどもこゑ鳴き...

10月4日(土)

朝、22℃。ちょっと寒い。一枚羽織る。 呉勝浩『爆弾』、ムチャクチャおもしろいが、ムチャクチャ時間がかかった。しかし、読み終えた。充実感はある。スズキタゴサクを訊問する三人の刑事、とりわけスズキと対峙した白いスニーカー姿...