2025年6月22日(日)

今日も暑いのだ。   夕暮は人の瞳の並ぶごと病院の窓とてつもなくて   真夜中の夢に魘され声あぐるこの恐ろしさ言ふすべあらず   紅茶の色は屍体の色と同じかも匙もてかきまはすしかばねの色 『中庸』第四章 君子はその位に素...

2025年6月21日(土)

朝は涼しい。やがて暑くなる。   わが骸骨が荒野ゆくぎくしゃくとして歩みゆくなり   すれ違ふ白い女がマスクして笑ふが如しわたくし怖ひ   真夜中の三時を過ぎて目覚めたる老いにも怖ろし夢の世界 『中庸』第三章三 忠恕は道...

2025年6月20日(金)

少し涼しかったが、やがて暑い。   こがらすが跳ぬるが如く楽しげに何か咥へて嬉しさうなり   こがらすが尻尾ふりふり跳ね歩く追へばたちまち線路の彼方に   舗道上をちょこちょこ歩くはすずめなり虫のやうなるものを咥へて 『...

2025年6月19日(木)

三日続けて、今日も猛暑だ。耐えられぬ。   朝の日にかがやくあけぼの杉の木に挑みたくなるその幹に触れ   久々に初夏のみどりに圧倒され誰か殺さむと思ふときあり   闇の中にまた闇があるその奥に血潮したたる一隅がある 『中...

2025年6月18日(水)

今日も朝から猛暑である。   にんげんとはどうしようもないもの世界中どこにおいても戦乱たへず   善良なる心のいつか無くなりぬ包丁持てば殺したくなる   こころには常に殺意がうずくまる平生はごくふつうの顔して 『中庸』第...

2025年6月17日(火)

朝から暑い。35℃くらいになるという。八時半には冷房だ。   妻が買ふ小さき甘きトマト食ふ赤きしづくをしたたらせつつ   幽霊のやうに出てきてまた隠る人呪ふこと舌をだしつつ   闇にするこの声は猫が鳴く声か長く鳴きつつす...