2021年 1月2日(土)
河原には凧上げ争ふ子らのこゑ正月二日空に雲なし 土堤(どて)の上に相模大山みはるかす紅葉(もみぢ)葉(ば)落とし茶色の山 <主人メモ> 今日もまた穏やかな日である。 相模川の河原では凧がいくつか上がる。 箱根駅伝往...
河原には凧上げ争ふ子らのこゑ正月二日空に雲なし 土堤(どて)の上に相模大山みはるかす紅葉(もみぢ)葉(ば)落とし茶色の山 <主人メモ> 今日もまた穏やかな日である。 相模川の河原では凧がいくつか上がる。 箱根駅伝往...
賽銭に百五円投げじやらんじやらん口に唱えて深く礼(ゐや)する 狛犬にマスクを着けて参拝者をむかへる産土(うぶすな)の古き姫神 大晦日の最後の掃除機掛け忘れ睦月朔日部屋にゴミある <主人メモ> 近くの有鹿神社に...
バスタブの裏にへばりつく人の膏(あぶら)執拗なりきなかなか落ちず 洗へどもあらへどもとりきれぬ汚れこそわが偏執の魂かも知れず 西方の山の鞍部にしづみゆくことし最後の太陽の色 黄金にかがやく雲の幾片か浄土を示す雲かとおもふ...
昨夜(ゆふべ)聴く薬師丸ひろ子のうたのこゑ探偵物語けさわれうたふ 墓の奥に山茶花二つの花咲かすまだ散らざらむ父よたのしめ <主人メモ> 午前中雨、やがて晴れ。父の墓掃除、帰途寿司屋へ。 むすめは先に、むすこは...
水音、羽音知らせなくして訪れる枯蓮池に鴨着(ど)く数羽 むかしむかし書きて書ききれぬ原稿のいくつもありて多くを捨てつ <主人メモ> 身めぐりの書物を整理する。本の山の底からぶ厚い『吉岡実全詩集』が出てきた。
栂の木の枝荒れて主(あるじ)なき家も春のいそぎか葉むらととのふ <主人メモ> ハガキ投函と送金のために郵便局へ。人住まぬ家がある。
古雑誌古ノート束ね紙ごみに出さむとす記憶を棄て去るやうに 棄てなくとも忘れてもどらぬ記憶ある老いとは多くを忘れゆくこと <主人メモ> 年末の掃除日和であった。疲労感あり。