2024年10月26日(土)
曇りだ。 秋の日の夕焼空をいろどれる白、灰、桃色、橙もある 天井には大裁判官が袖ひろげ何かのたまふ偉さうにして いつまでものらりくらりと良くならず微熱のありて足はふらつく 『論語』顔淵一七 季康子、政を孔子に...
曇りだ。 秋の日の夕焼空をいろどれる白、灰、桃色、橙もある 天井には大裁判官が袖ひろげ何かのたまふ偉さうにして いつまでものらりくらりと良くならず微熱のありて足はふらつく 『論語』顔淵一七 季康子、政を孔子に...
朝、しとしと雨。その後曇天。 病中食なればか塩分すくなくてコロナの残余か味覚常ならず かぼちゃの煮物が発する黄金のひかりありわが視覚甚振る 粥すくふ箸にとまどふ口中を粒つぶれ匂ふ魚沼界隈 『論語』顔淵一六 孔...
朝から晴れていい天気だ。ただ少し暑い。 マスクかけて妖しき風体のわれならむ余儀なくトイレの前に倒れき 手品師の集団のやうに倒れたるものを囲みて守らむとする この日より点滴棒と看護師に付き添はれゆく夜のトイレに...
朝は涼しい。昼もまあまあ。 これの世はかくもいつもの俗つぽさ自民党総裁選など行はれしか 熱下がらず悶々とベッドの上に棲むこここそがわれの病牀六尺 正岡子規の歌に心を直くして季節を越えて生きてゐたし 『論語』顔...
涼しい。秋らしい日だ。 掛けてゐたメガネを無くし高熱に魘されたるかわれわれにはあらず やうやつとメガネ取り返すわれならむオムツに尿をもらす老い耄れ 隠形にならひてひそむベッドの下いづれは外の明るき世界へ 『論...
秋の良い日である。 発つ時に百済観音すくと立つ娘のすがたおぼろけならむ わがね眠る傍に添ひ椅子に座す妻端然たりすぐまた意識なし いつのまにかオムツに換へられ点滴に繋がれてまた病人ならむ 歯ブラシをコップに...
昨日はかなり暑かったけれど、今日は涼しいというか寒い。 高熱に意識失ふわれなれどめぐり阻むオレンジの服 オレンジの救急隊員にはげまされ名を問はれても応へ得ざりき 『論語』顔淵一一 斉の景公、政を孔子に問ふ。孔子対...