朝の日は直海棠の樹を照らす花の頽落の無惨も照らす
明日は雨の予想に今日はゆつくりと閑歩たのしむぶらぶら歩く
<主人メモ> 3×9=27で今日は桜の日だそうで。 なんかあほらしな。

朝の日は直海棠の樹を照らす花の頽落の無惨も照らす
明日は雨の予想に今日はゆつくりと閑歩たのしむぶらぶら歩く
<主人メモ> 3×9=27で今日は桜の日だそうで。 なんかあほらしな。
海棠のほころぶところ三十五年つれそふ妻とわれもほころぶ
さくら色に川土手染まる三月下旬はかなきものにあくがれてゐる
まばゆきは雀の鉄砲の穂のひかり春のいのちの耤されてゆく
<主人メモ> 総合病院に依頼してあった診断書がようやく出来上がった。 ほんとうにようやくだ。
雪柳、菜の花、さくらそれぞれの花が位置占め春の河土堤
八分咲きの大島桜のめぐりにはうぐひすが鳴く、ひよどりがくる
<主人メモ> 相模川沿いの三川公園には大島桜が五本と多くの染井吉野がある。 しかし同じようにせいぜい八分咲きといったところである。
けさもまたドリップに落とす湯の音と珈琲の香に覚醒したり
ことし初の染井吉野を公園に三分咲きなれど枝に花咲く
<主人メモ> 妻は毎朝、コーヒーを淹れる。
春日野に馬酔木の花の咲くころを初発の恋あり昔なりけり
しじみ蝶がわれのめぐりを飛ぶときのわれはなにもの花かも知れず
<主人メモ> 35年目の結婚記念日。 あの日はひどい春の雪であった。 このあたりでは電車も止まり、電波塔も倒れた。 結婚式には遅れるし、ひどい目にあった。 父と母、そして伊勢から出てきた伯父は停電の一夜をすごすことになり、 長野から出てきた妻の親族一同は急遽神楽坂の旅館泊。 結婚した私どもは快適なホテル住まいでありました。
昨夜の風のやうやくやめば庭の木のもくれん白き花総て散る
コンクリートの破れ目にならぶすみれ草むらさきの花春さ中なり
木蘭の花ちりぢりに春の雨
家族五人が揃へばそれだけで嬉しくてわいわいがやがやあたたかくなる
<主人メモ> 春の嵐のような雨だ。 昨夜は息子と娘が帰ってきた。その日の内に戻って行ったが。
アンブレラ回して遊ぶ雨の午後けふは激しきものを恋ひをり
<主人メモ> 雨はいつまでも止まない。