2023年8月29日(火)

朝方は涼しかったのだが、昼酷暑。また入院だ。

瀬戸内寂聴『ここ過ぎて 白秋と三人の妻』読了。文庫本ながら700ページある。しんどい読書ではあった。詩、短歌、童謡など多彩な作品を操る北原白秋に三人の妻がいた。最初の妻は俊子だが、隣家の夫に「姦通罪」で告訴される。二番目は章子(あやこ)、そして三人目が菊子。この菊子がもっとも長く、穏やかだったが、他の二人に関しては相当に激しい関係であり、とくに二番目の章子については、瀬戸内の筆も激しく、読みでがある。

  目を盲ひし北原白秋。心弱くなり別れし妻をおもはぬものか

  ここ過ぎてゆくよりなきか妻二人捨てて文芸の道進むもあはれ

  小田原のみみづくの家にはしやぎしは江口章子(あやこ)なり離縁されにき

  寂聴の書きしはおほかた二番目の妻のこと執拗に歎きたりけむ

  寂聴は江口章子(あやこ)を好めるか多くを割きつ章子のことに

2023年8月28日(月)

窓から入る風は涼しいが、やがて暑くなる。エアコンを使う。11:20からリハビリ。

  朝がらすみなみの空に鳴き放つなにか申してをるかのごとく

7月11日、また世界から大切な人が去る。

  惜しまれてクンデラも死すこの世から抵抗体のひとつが消えつ

  雲中を三本のひかり折れ曲がり地上を撃てり雷神の怒り

2023年8月27日(日)

今日も暑い。夏休み最後の休みだそうだ。

  引き込み線を相鉄電車が音立てて朝の出立。青き車体に

  引きこみ線に相鉄電車のきしむ音午前五時まへ窓より入り来

  たはしが束子(たはし)の格好でベランダにころがる束子(たはし)はたはし

2023年8月26日(土)

娘の誕生日。午前10時、さつきの山口さんとケアマネの久米さんがくる。昼過ぎ妹がくる。なんだか疲れた。

  ペットボトルの水飲み干してけふの昼、熱中症はわれの敵なり

  飲み干して空色に透くペットボトル二本を叩けば楽器のごとし

  叩きあふペットボトルに奏でたる「さくらさくら」はただかしましく

2023年8月25日(金)

咳は収まったのか。夕べは出なかった。

  すずめ子の小さきが鳴けばかしましくこの地を歩むにすずめの声す

  エポケーのごとくしづけし。中庭(パティオ)のあけぼの杉のまみどりの葉も

  朝三粒(みつぶ)(ゆふべ)二粒(ふたつぶ) 退院の後も薬飲む。ルーティンを守り

2023年8月24日(木)

コロナのせいか喉のいがいがが酷く、夜眠れなかった。早くに窓を開ける。たしかに涼しさはあるが湿気がやけに多い。今日はリハビリの日。

  ひむがしへ黒き鵜三羽翔けぬける速度(スピード)感あればいづこへむかふ

  朝明けの雨模様なれば雲重く垂りてかしましく雨ふりやまず

  卓子(テーブル)の表面に湿気べたつきて手のうちがはの濡れたるごとし

  どの木より蟬鳴きはじむ。十方四方に耳すませども蟬の声止む

2023年8月23日(水)

暑い日がつづく。雨もふる。すぐ上がってしまうのだが。

  四天王に踏みつけられし邪鬼の顔それぞれ違ふ目の大きさも

  持国天に踏まれし邪鬼の表情のすこし(ゑま)へるごとしとおもふ

  踏まれし邪鬼に多聞天の靴おもたからむ多聞天しつかり着衣整ふ