2023年8月22日(火)

今日も暑いのだ。

  朝の日に影ながながとあけぼの杉生気さかんなれば風に揺れをり

  をかしをば人生ひとつの目的としあれこれ言はん兼好頼りに

  をかし、あはれをこの(み)にまとひ刻々と退院以後の日々を過ごさむ

2023年8月21日(月)

暑い。総合病院でMRIを受ける。

田中貴子の本で印象に残った『和漢朗詠集』。中の和歌一首と漢詩。藤原義孝の作である。義孝は藤原伊尹(これただ)の子、(こう)(ぜい)の父。容姿端麗で道心の深い貴公子であった。

秋はなほ夕まぐれこそただならぬ荻の上風(うはかぜ)荻の下露  229
(あした)に紅顔あつて世路(せいろ)に誇れども/
(ゆふべ)に白骨となつて(かう)(ぐゑん)に朽ちぬ  794

  さてさて藤原義孝の歌なるか下の句の対句好ましきもの

  麗景殿女(れいけいでんのにょう)(ご)早くに死にたるを惜しみつつ藤原義孝寂しむ

離婚病というものがある。
恋ひわびてよなよなまどふわがたまはなかなか身にもかへらざりけり 藤原能宣(よしのぶ)
思ひあまりいでにし魂のあるならむ夜ぶかく見えば魂結びせよ 『伊勢物語』110段

  たましひのわが(み)を離れ遊ぶときこのたましひのはなやぐものを

2023年8月20日(日)

暑いことに変わりない。田中貴子『いちにち、古典 〈とき〉をめぐる日本文学誌』読みつつ、

  (あした)に生れて(ゆふべ)に死す。われらみなひとしなみに死は避けやうもなし

  彌彌(やや)(まる)の悪鬼に遭ひて死にするに満済准(まんぜいじゅん)(くゎう)あはてたりけり

  腐れ(かばね)あちこちにある中世の京都をおもふ妖しきものを

2023年8月19日(土)

今日も朝から暑い。春杜くんのお宮参り、赤坂の日枝神社だそうで妻は早くにでていった。

  持国天に踏みつけられし邪鬼の顔どこかに喜びの表情うかぶ

  高き搭、興福寺五重塔を仰ぎみるわれら小さき人間ならむ

  汗の香をたたふる木綿のTシャツを着てゆくは地蔵の盆近き夜

2023年8月18日(金)

今日も暑い。雨もない。

  リハビリの師にしたがひてスクワット十五回わが(み)よいつよみがへる

  ことばのままに足を上下に腰をあげ訪問介護にぶざまをさらす

  蟬のこゑこの頃聴かずと話しすればたちまちどこからか油蟬鳴く

2023年8月17日(木)

あいかわらず暑い。一年に一度の胸の心臓ペースメーカーの診察の日だ。

  尾根の雲のみにひかりある山の暮れ午後五時過ぎて盆の死者帰る

  盆の死者もいつかは帰る茄子の馬にまたがる父が頬笑みかへす

  鶏の声まつたく聴こゑず夜が明けるこの世泰平なるかさうではあるまい

小学校四年の新学期に東京の練馬から神奈川県の厚木に越した。

  舌だみし厚木のことばに驚けり五十七年まへ「べい」のつく語

2023年8月16日(水)

朝から激しい雨。たちまち上がるものの暑い。

  紀伊半島に上陸したる台風の影響微々たり安堵せりけり

  雨ふれば車道はいまだ乾かざる自動車通るもしづかなりけり

  台風七号の影響か雨ふれば盆の日なれど車少なし