2022年12月25日(日)

クリスマス。父の墓へ。正月の酒を買い足しに行って、戻ってきたところに、佐々木靖子さんの訃報。驚くほかない。この二カ月ほど所属している「短歌人」に作品がないのが気になっていたが、まさか亡くなったとは。28日正午、大崎で告別式。

  こもりくのごとき墓苑の父の墓(いろ)くすみたるが冬の陽に照る

  枯れ落ち葉 (から)の花立てに詰まりをりかきだして風荒き日おもふ

佐々木靖子死す

  「人」入会同じ昭和五十三年四十四年を親しきうたびと

  この人が亡くなれば歌の心棒がゆらぎはじめるとめどなくゆらぐ

2022年12月24日(土)

なかなか寒いクリスマス・イブである。

  土曜日は少しゆつくりねむりをり日の出の後に寝床を出づる

  富士山に近き牧野に育ちたる牛の肉けふは奮発したり

  リビングにしづかに鳴らすクリスマス・ソング子どものゐない寂しき夜は

  子どものゐないクリスマス・イブは鮟鱇鍋老い三人(みたり)にてむさぼり喰らふ

2022年12月23日(金)

朝から風もあり寒い。昼時にも7℃、寒い。昨夜はいただいた立派な柚子を5個ばかり浮かべて湯に浸った。

  一夜明けて柚子風呂の柚子のぐだぐだの見苦しく柚子の臭いを放つ

  おのが軀は柚子香らざる冬枯れの痩せ老人のかさかさの膚

朝の寒さにあちらこちらに氷りが張っている。

  箱詰の季節のごとし往来の薄氷に()()黄葉(こうえふ)紅葉(もみぢ)

『対論1968』笠井潔・絓秀実 聞き手外山恒一を読む。1968の熱さ、激しさを今も持ち続けている笠井、絓の熱さには感嘆する。

  熱きものを今なほ胸に秘めてゐる1968を生き来し二人

  世界革命、暴力的な革命をいまなほ胸に焔を燃やす

2022年12月22日(木)冬至

朝から冷たい雨。午前中は家にこもる。十一時半くらいに雨が上がった。

  午前六時雨いまだ降れば暗くして赤き尾灯のつらなる県道

  柚子あまた浮かべて冬至の湯につかるいろいろあれどまあ、よしとせむ

『老子』下篇53

  「盗の夸り、道に非ざる」と慨嘆す寒き雨中に老子快なり

『徒然草』137段 集中もっとも長き章段である。

  月花の鑑賞、賀茂の祭りの見物に無常の迅速もりだくさんなり

2022年12月21日(水)

曇りがちであったが、やがて晴れる。ただ寒い。

  暁闇は繊月いまだ明るくて西空だいだい色にはまだ時間(とき)がある

  屑籠は老人臭くわが家は六十代夫婦に九十の母

  若ものの寄り付かぬ家はなんとなく老いの臭いのただようごとし