朝はこの数日より少し温度が低いようだ。午前9時過ぎには雨。湿気が多い。
書かねばならぬ原稿一つもてあまし朝から録画のドラマを観てゐる
蟬のこゑけふはしづかに鳴き止みぬ豪雨の兆しいまはみえねど

朝はこの数日より少し温度が低いようだ。午前9時過ぎには雨。湿気が多い。
書かねばならぬ原稿一つもてあまし朝から録画のドラマを観てゐる
蟬のこゑけふはしづかに鳴き止みぬ豪雨の兆しいまはみえねど

今日は息子の誕生日。32歳。わたしが父を亡くした歳になる。あのとき父はまだ61だった。定年から1年、まだまだやりたいことがあり、夢もあった。
三日間、毎日二万歩の旅、しかも日々38℃の京都は66歳のわたしにはいささか苛酷でもあった。まあ、楽しかったから、それでよかったのだが、なかなか疲労感がとれない。ことにふくらはぎが張っている。
あけぼの杉の根もとに蟬穴がいくつも空いている。周囲のさつき躑躅の枝やあけぼの杉の葉に蟬の抜け殻がしがみついている。
須坂の義兄より荷が届く。
畑の木に大量の果実ソルダムを噛めば赤き実甘美なりけり
殻を割り青白き蝉の出でてくる姿態なまなましきをおもひみむとす

京都三日目朝、握り飯をもてなす店が宿の近くにあるというので行ってみたのだが、今日は閉店。しかたがないのでコンビニで握り飯を買う。昨日食べたかき氷はカップのものだったから、下鴨神社の茶店に。糺の森は、時代劇にも使われるロケーションでもあり、なかなかよかった。大木の森を渡る風はすこしだけだが猛暑を忘れさせた。抹茶にあんこの氷はふわふわさくさく食べでもあった。さらに予約しなくても入場できるようになった京都御所をひとめぐり歩いてきた。御所内はさえぎるものがなく太陽が直接あたって、困憊。昼は、またむすめがネットで探した地元定番の中華屋で堅焼きそば。量が多かったが旨い。漬物屋やその他で土産を誂え、16:33京都発のひかり658号に乗車、18:39小田原着。小田原の駅ビルでさしみを肴に生ビールで乾杯。むすめとの京都修学旅行終了です。
賀茂別雷命の怒りあるかこの晴れつづき日々猛暑なり
下鴨神社の茶店の緋色の毛氈に腰かけてやはらかき氷を崩す
大木の森に京都の鎮めの風かき氷食むわたしが感ず
京都御所をとぼとぼとゆく老いの軀を守るものなし紫宸殿前
容赦せぬ夏のひかりに灼けたるか腕黒くなるこの三日間
小田原の鰺の刺身を肴にしむすめと一杯かくも旨きか
むすめとの旅終へてすこし寂しくてまだ先へゆく窓に手をふる

京都二日目は、近くの昔風の純喫茶でモーニング。ある目的があって青蓮院へ。しかし残念ながら目的は達しえず、修繕中の堂舎を観覧してきた。知恩院を抜け高台寺道や石塀小路をめぐり八坂の塔へ。その後一度宿へもどる。昨日より暑い。38℃。シャワーを浴びて、昼飯のあとひと眠り。しゃれた雑貨屋さんや泥書房をめぐって夕食へ。昼はきわめて庶民的な大量のナポリタンとむすめはケチャップたっぷりのオムライス。夜はこれまた常連客ばかりの焼き鳥屋。昨日の欄には書きそびれたが、旅のはじめの夜の古びたフランス料理の店、そこの鱧と水ナスのサラダが美味かった。二人で白ワインを一本。
白ワイン一本あけて少し酔ふ父とむすめ修学旅行
クマゼミの鳴動うるさき千年のクスノキ今年も鳴動したり
青蓮院のくすの根もとにたたずみて開門を待つむすめと二人
回廊をよろよろ歩むわが視野に夏のみどりの石庭うつる
知恩院から八坂の塔にたどりゆく真つ青なる空に飛行機雲ゆく
三条大橋にぬかづく高山彦九郎奇矯のふるまひ愛すべきなり
老いの汗じめじめじわじわTシャツを湿らせ抹茶のかき氷喰ふ

6:56小田急線厚木駅を発ち、8:07小田原発のひかり633号で京都へ向かう。むすめとは小田原駅ホームで合流。京都10:12着。37℃予想が出ていたがホームに降りるとすでに猛暑が襲いかかってきた。荷物をロッカーに入れ、JR奈良線で宇治へ。結婚が決まったむすめと最後の修学旅行である。1日目は平等院を中心にあちらこちらへ。流れの豊かな宇治川を幾たびか渡る。福寿園のカフェで和菓子と抹茶。むすめは抹茶がにがてであり、ジュースを。昼は平等院の駐車場わきの茶店で私はうどん、むすめはそばを。京都の宿は四条新町百足屋町にある。百足屋町、すてきではないですか。
伊吹嶺を仰げばけさは青天にくきやかに聳ゆ京への道行
宇治橋に水ゆたかなる川のながれこの川覗く昔男は
午前中すでに37℃。
猛熱にほだされてわれは昔男宇治の館へ忍び入らむか
クマゼミのすがた見つけて喜べるわれをあはれむやうなりむすめは
天上の浄土をのぞむ老いのすがた平安貴族は小さきものか
木があれば熊蟬のこゑしゃあしゃあと煩さきところわれらも過ぎむ
平等院鳳凰像のいかめしき顔貌夜半におもひ出づるも

暑い。朝から30℃を越え、午後2時半現在34℃。池上彰と佐藤優の対話『漂流日本左翼史』読了。1972-2022年の左翼の衰退期をめぐっての対話。前二冊とともに興味深いものであった。「物事の本質に立ち返って思考することが重要」という佐藤優の発言に注目する。明日から娘と京都の夏の旅に行ってきます。二泊三日、報告は帰ってから。
チュツピーチュツピー
電柱から電線を経て木の裏にすがた隠して四十雀鳴く
林檎を八分割してその二つ食うべてけふのいくさにゆかむ

朝から暑い。マンションの南側には、かつて物流倉庫があったのだが、解体され更地になったまま、もう何年になるだろうか。もともとは周囲をかこむように楠木や桜の木があった。それが斬り尽くされ、いまは全面夏草の生い茂る荒地である。まあ変な建物が建つよりはましだが、いつまでこの状態が続くのだろう。見晴らしがよくて、できうればこのままでいいのだが。
立ち騒ぐ荒れ草の原。放恣なる草ぐさみどり濃くして猛る
荒草のめぐりは照り葉やさくら木に夏の木の影しづかにありき
斬り倒されし樹木を惜しむ声があるこのマンションに人暮らしけり
