春らしい一日だ。菜の花畑や楊のみどりが美しい。
4月1日に見田宗介さんが亡くなったと報道があった。84歳。また一人、重要な時代の羅針盤が失われたことになる。見田宗介(真木悠介)の著書をむさぼるように読んだ日々があった。
海棠の花咲くときに遅速あり西の木はすでに花に満ちたり
東の木の花はちょぼちょぼ海棠の見まく欲りする春はいまだし
混迷の世に指し示す人類の自由をまもるひかりの思索

春らしい一日だ。菜の花畑や楊のみどりが美しい。
4月1日に見田宗介さんが亡くなったと報道があった。84歳。また一人、重要な時代の羅針盤が失われたことになる。見田宗介(真木悠介)の著書をむさぼるように読んだ日々があった。
海棠の花咲くときに遅速あり西の木はすでに花に満ちたり
東の木の花はちょぼちょぼ海棠の見まく欲りする春はいまだし
混迷の世に指し示す人類の自由をまもるひかりの思索

新百合ヶ丘の料理屋でむすこの結婚相手に会う。聡明そうないい娘さんであった。しかし昼から食べすぎだ。緊張したせいか疲れた。親になるのもたいへんなものだ。
朝の日に木の芽吹きありうるはしくそばにきてゐる春のやさしさ
あけぼの杉の枝さきに小さな芽の出づる庭の木うすきみどりにけぶる

さくらの花が激しく散りはじめている。二、三片拾った。明日の画材だ。
喫茶店にしばらくものをおもはざるときあればそれも愉楽のひとつ
6日と同じだが、逢坂剛の百舌シリーズを読んでいる。シリーズ4作目。7作まである。
珈琲を喫みつつ人を殺し合ふミステリーに嘆ずいくたびも閉づ

春らしい一日だ。田んぼに水が入り、鴨が歩いている。染井吉野もそろそろ終わりだ。花ふぶきが散る。吹雪饅頭が食べたくて、買って帰る。
鴨二羽がかたむきかたむき泥田ゆく畦に上がりて身ぶるひしてゐる
吹雪まんぢゅうの餡子の甘さに蕩けたりほうとする軀をさくらが包む

気持ちのよい朝だ。さくらはほぼ満開、木々のみどりが新鮮だ。この数日、逢坂剛の百舌シリーズを読んでいるが、生と死のきわどい展開にたびたび本を閉じる。
染井吉野のはなびら游ぶ町を来て風ふけば踊るさくらはなびら
足もとにさくらはなびら落ちてくる近くに花咲く木の見えざるに

ようやく雨が上がったようで、今朝は明るい日差しが広がっていた。二日間、ほとんど止むことのない雨だった。木々は少しづつ緑を帯びてきている。そこに朝の日があたりきらめいている。ウクライナではロシア軍による深刻な許しがたい戦争犯罪が行われた。
赤芽柏の赤き葉の色に応じたるわが怒りあり心揺すぶる
あしびの花咲くころに別れたる友ありきその後ふたたび逢はず
青空やぽこりぽこりと春の雲

昨日からの雨がずっとつづいている。いったいいつ上がるのだろう。そして冷たい。寒い。
川土手の染井吉野にまじりたる白き花咲く山桜よし
山桜の花の清らを愛したる妻としばしの時を過ごせり
