2022年12月12日(月)

今日もまた穏やかな晴れ空がつづく。夜から雨になるらしい。

  はぐれ鳩一羽が飛べる冬の空茫洋として青きこの空

  雑草のみどりやすでに色映えて冬のいのちをかがやかせをり

  来年は(みずのと)()なり干支の印注文したり工房蓮に

『老子』下篇51 「道、これを生じ、徳、これを(やしな)い、物、これを形づくり、器、これを成す。」
いいことばだねえ。


『徒然草』135段に「『むまのきつりやう、きつにのをか、なかくぼれいり、くれんとう』「いかなる心にか侍らん」とある。遊戯の囃し言葉かと註にあるが、この不思議な言葉のつらなりは、いったいなんだろう。

2022年12月11日(日)

割合穏やかな日である。昼はひさしぶりに味噌ラーメンを作った。

  残り葉の少なくなりしメタセコイヤ朝のひかりになほ葉々動く

  味噌ラーメンの汁まで飲み干しああけふも人生晩年たのしきかもよ

『徒然草』134段

  大事を託せる人の寡なければ自らを知るべしと兼好説くか 

『老子』下篇50

  人は「生に出でて死に入る」これ当然にて無為自然たるべし

2022年12月10日(土)

ゴミ捨てに出ると空のはるか高みを銀色のジェット機が西へ向かっているのが小さく望める。今日もよい天気の青空だ。

  今朝はすこし暖かいのかリビングの窓に結露のほとんどあらず

  けやきの葉 落ち葉をひらふ朝の道 土色の葉のいのちをひらふ

『徒然草』131・132段

  分を知らねば貧しさに盗み力衰ふれば病を受くる

  李部(りほう)(わう)の記に侍ると書きし『徒然草』されどその記の散逸したり

『老子』下篇48・49

  本来無一物、無為の境地にあらざれば世界を治むること能はざる

  プーチンにこの書を薦む「聖人は常に無心」を心掛くべし

2022年12月9日(金)

朝方、西の山々の高き空に、ほぼ円い残りの月が明るく輝いていた。じきに雲に隠れてしまったが。

  明烏、嘴太鴉の()みごゑが響きていまだ暗き暁闇

「斑鳩のたみ声深み落つばき」

『日本国語大辞典』によるとこういう句があるそうだ。春鴻句集(1803頃)

  ひむがしの地の明けくれば西のそらに残りの円き月かがやけり

ある男

  フィルターの根もとまでタバコを吸ひて棄つ携帯電話の後に男投げ棄つ

  路上の短き吸殻を踏みつぶす男不貞腐れたるそぶりに

2022年12月8日(木)

真珠湾攻撃から81年である。この日を悔いる式典があってもいいのではないか。

今日もまたよき日である。

  残り少なき紅葉も落しこの数日さくらは冬木にならむとすらむ

  地上にはさくら落ち葉を散らしたる風格をもつこの古木なり

  真珠湾を攻撃したる八十一年前躊躇したる人ありやあらずや

ハガキを出しに郵便局へ

  目の高さを何の穂絮かとびゆける春にはどこかに芽をだす種子なり

2022年12月7日(水)

小春日和というところであろうか。海老名方面へいくつかの買物へ。

  飛行機雲三機の航跡が西へ()く師走七日の寒きこの空

昨夜、石川さゆり50年の記念番組を視聴。この人の歌とともに時代を越えてきたのだとあらためて思う。わがカラオケはじめも城崎温泉のスナックの津軽海峡冬景色であった。天城越え、能登半島……ずいぶん歌ったっけなあ。けっこう上手であったとの自負もあるが、老齢化によりすっかり下手くそになってしまった。

  五十年、石川さゆりの歌ごゑに励まされ泣かされ喜びもあり

  わが時の流れに石川さゆりの歌がありその時どきのうたをつぶやく

2022年12月6日(火)

インフルエンザの予防注射を受けにさつき町診療所へ。そのまま今晩の総菜の買物へ。空は明るく晴れてきたものの寒いのである。

  甥っ子のはぐくむ信州リンゴ噛むこの甘やかなる果汁にほころぶ

  起き出でてああ(くら)といふ妻のこゑ師走六日の午前五時半

  窓に立つ妻の背後(うしろ)に望む空ひむがしの(はて)けさただ暗く