2022年7月28日(木)

今日も暑くなっている。あけぼの杉の根元には今日も蟬穴はない。しかし油蟬が鳴き、今朝は熊蟬も聞こえる。

青山文平『やっと訪れた春に』読了。青山文平らしい泣かせる小説だ。意表をつくような書き出し。主人公が城の濠に落ちる。そこから二人の藩主を擁する橋倉藩をめぐる明暗が展開する。藩の平穏のその底に潜む哀切な深い闇。いやあ泣ける小説だ。

死ぬものと死にゆくものとを見尽くして老いを生きねばならぬもののふ

油蝉の鳴くこゑを聴く翌日(あくるひ)に熊蟬のこゑともどもに聞く

マンションの南の青き空にひびき熊蟬のこゑやがて消えたり

2022年7月27日(水)

今日は晴れ。朝は風があったが、その風が熱くなり32℃越え。

あけぼの杉の根元にいまだ蟬穴はない。

いつまでも蟬穴あかぬ中庭(パティオ)なり紫薇の朱の花も多くは咲かず

マンションの周囲(めぐり)に蟬のこゑ聞こゆことし初めての油蝉鳴く

2022年7月25日(月)

今日も朝から暑いのだ。海老名のスタバへ。中路啓太『昭和天皇の声』を読み終える。相沢事件、二・二六事件の岡田総理救出の顛末、鈴木貫太郎をめぐるドラマ、いづれも妻の存在が興味深く、そして昭和天皇の声。最後の「地下鉄の切符」、<1921.6.21>の日付をもつパリの地下鉄の切符。天皇とは、何と窮屈なものであろうかと思わずにはいられない。

若き日の地下鉄の切符を持ちつづけ昭和天皇は自由を夢む

天皇にも「ローマの休日」のごとき日のあれば少しく心温もる

いつぱいの朝の珈琲濃い目なりまづは目覚ましけふがはじまる

カフェには朝のたのしきひびきありコーヒー・ルンバに足拍子とる

2022年7月22日(金)

朝は風が通って、少しだけだけれど涼しかった。9時頃猛烈な雨、そして雷鳴。1時間ほどで止む。午後になると風はあるが暑い。午後3時現在32℃。米澤穂信『満願』が文庫になった。いやあ、凄い、怖い、この六編。

『満願』に怯えて寒き心には麦茶を温めゆつくりと飲む

頭上より天の怒りの雷鳴かしばしとどろきまたもとどろく