どんよりとした曇り空。寒い。
冬芽立つ沙羅の木の枝するどくて曇天を裂く深く突き刺す
曇り空をあばれがらすが遠ざかる悪声ひと声二こゑ放ち
鳩どもの大群が曇り空をゆく群れてばらけて行きつ返りつ

どんよりとした曇り空。寒い。
冬芽立つ沙羅の木の枝するどくて曇天を裂く深く突き刺す
曇り空をあばれがらすが遠ざかる悪声ひと声二こゑ放ち
鳩どもの大群が曇り空をゆく群れてばらけて行きつ返りつ

朝方は晴れていたが、次第に雲が多くなってくる。
固き実も仄赤らみてほぐれくる椿の木やがて花にほころぶ
南斜面の公孫樹の大木も葉のうちに黄の色混じへ師走四日
夜の椿のかげに痩せたる雪女郎
貫井徳郎『追憶のかけら』現代語版を読む。貫井らしいと言えばそうなのだが、このミステリイも壮大な構えをとりながら、実に他愛のないといえば他愛のない悪意の物語である。しかし、それでも涙ぐましい結末には泣かされてしまう。作中作が正字正かなで書かれていたものが、新版の文庫では現代語になっているらしい。正字正かな版で読んでみたかった。その方が虚偽を見破りやすかったのではないだろうか。だからと言ってもう一度読もうとは思いもしませんが。
なさけなきわが身に近きミステリイどこか憎めぬこの主人公

さすが十二月に入って寒くなって来た。寒いがよい天気である。
東名高速御殿場辺りの渋滞情報点滅してをり師走に入れば
時に行くトマト農園の売店にC級品のトマトを探る
夢違観音菩薩を描きしが夢違へたるか悪夢けさ観ず

今日も雲が重いが、晴れ間もある。
昼時は天晴れ冬の太陽のお出ましあれば鬱気も去にぬ
ここのところ毎晩、少しの晩酌を楽しんでいる。
一合とわづかの酒にほてりたる老いのよろこびたはやすくして
麹漬けの烏賊の塩辛を肴にしてゆつくりと呑むひと日の締めは

今日から十二月だ。早い。
母の5回目のコロナ予防注射に付き添う。
雲重く、そして厚くしてしづかなりこんな日は冬のコートを着て出る
一昨日のことだが、宮台真司が襲われた。暴力をふるわれたようだ。今読んでいる貫井徳郎『追憶のかけら』のエピソードを思わせるようで、妙に気になる。
こゑもなく人切りつけて男なにをなすなにをせむとすなぜに語らぬ
木枯やいのちもくそと思へども 室生犀星
湿りたる彩とりどりの朽ち葉踏みかなしむか朽ち葉よけてまた踏む
「清静は天下の正たり。」『老子』下篇45

曇り空なれど寒くはない。昨日の風は、マンションの庭の多くの木の葉を、散らしたようだ。
朽ち葉色の葉の散り敷きて風吹けば風に片寄る右へ左へ
葉脈のくきやかにして桜もみぢ汚れありしがわが前に落つ
この葉こそわが繪に寫せさねさしさがむの古木いのちの桜

曇り空、やがて雨になるらしい。風が強い。南風でなまぬるい感じ。
暁闇はなほ信号機の点滅のまぶしくて県道55号線
駅までの道にまたもや若き娘に追ひ越されたりまあ仕方なし
からす二羽がからみ合ひつつ落下して曇天へまたひるがへり飛ぶ
