例年だとこの日のあたりまで正月気分がつづいていたような気がするが、今年は喪中ということもあり、また6日から8日までの旅行もあり、もうふだんと変わりないようだ。
朝のカフェに笑ふこゑありカウンターの内にふたりの笑ひ合ふ声
枯れ枝もいのち蓄へ春を呼ぶ芽にひかりある夏つばきの木

例年だとこの日のあたりまで正月気分がつづいていたような気がするが、今年は喪中ということもあり、また6日から8日までの旅行もあり、もうふだんと変わりないようだ。
朝のカフェに笑ふこゑありカウンターの内にふたりの笑ひ合ふ声
枯れ枝もいのち蓄へ春を呼ぶ芽にひかりある夏つばきの木

晴天だが、朝から寒い。
さくら木も若き木なれば艶めきて朝のひかりに少時はなやぐ
青山文平『跳ぶ男』読了。読み終えてしばし息を呑んだ。凄い小説だ。山本周五郎の『虚空遍歴』も芸道にたずさわるものの葛藤の深さを描いて圧倒的な感動をもたらすが、この江戸時代の武家の能を扱った小説は、まさに命がけの厳しさが胸をつく。
武家の能を微細にかたるものがたり少年が舞ふ少年が跳ぶ

日の出の時は雲が多かった。やがて晴れたものの、寒い。
田ゐ中に藁焚くけむり立ちのぼる冬なれば畔に乾く泥ふむ
枯れ朽ち葉悉皆落し簡浄なりあけぼの杉の冬木を好む

旅から帰ってきてはじめてのトイレ掃除。なんだかいつもより汚れているように感ずるのはなぜだろう。朝から寒いが、気持ちのいい青天である。
窓を開けばひよどりの鳴くこゑ聞こゆここはわが住む相州の町
頭上にはオレンジ色の雲うかぶ日の出る前のえびなの空に

朝は雨だった。9時過ぎには雨は上がった。
和菓子屋のショーケースにはさくら餅はやくも並ぶ春のさきぶれ
草餅は見るのみにして帰りくる沙羅の枝には春の芽育つ

暮れに片づけた書籍や紙ごみをゴミ集積所もっていく。結局5往復することになった。これまた旅の疲れの取れていないところに、まことに疲れた。天気も悪い。
奈良旅の記憶をたどり記録するこのたのしみはわれひとりのもの
毛糸帽ぬげば空から落ちてくる宇宙の粒子かわが頭打つ

二泊三日の旅。若き時ほどではないが、よく歩き、よく食べ、よく飲んだ。きょうは疲労困憊の体である。ふくらはぎが張っている。この旅の歌もそこそこつくった。この旅を老夫婦古都僻見旅とでも名づけようか。
ふくらはぎの痛みは老いのあかしなり足の筋肉かくも衰ふ
二泊三日の旅の疲弊に茫洋とただよふごとしゆれたるごとし
