曇りがちであったが、やがて晴れる。ただ寒い。
暁闇は繊月いまだ明るくて西空だいだい色にはまだ時間がある
屑籠は老人臭くわが家は六十代夫婦に九十の母
若ものの寄り付かぬ家はなんとなく老いの臭いのただようごとし

曇りがちであったが、やがて晴れる。ただ寒い。
暁闇は繊月いまだ明るくて西空だいだい色にはまだ時間がある
屑籠は老人臭くわが家は六十代夫婦に九十の母
若ものの寄り付かぬ家はなんとなく老いの臭いのただようごとし

朝から気持ちよく晴れている。その分寒いのだ。
けさもまたはるかに高き空をゆく銀の旅客機西へと向かふ
環境にやさしき生活からは外れたり空ペットボトルたくさん捨てに
干支印を逆さまに押し年賀状このままではまずいシール貼りをり

朝から雲一つない。だから寒い。
橙色が紺青を制し朝空の明けてゆくなり師走十九日
弦月の宙天高く残るのみ他になにもなし極月の朝
昨夜の雨のなごりの道のたまり水けさは寒さに初氷なり

昨夜の雨は大山頂上付近、背後の丹沢山系に雪を降らせたようだ。どうりで寒い。
大山の頂上あたりを隠す雲やがて晴るれば雪の色あり
朝方は黒き曇りが雨ふらす南北に明るき空ひらけしに
一日の指脂に穢れし眼鏡なりしつこき汚れ拭かむとしをり

寒い曇り空の一日だ。
見あぐれば少しく暈けて西へ赴く飛行機雲あり疾く過ぎ去りぬ
妻よりクリスマスプレゼントに色鉛筆の60色セットをもらった。これは嬉しい。
60色の色使ひ分け葉のいのち写したるとき繪がうごかぬか
緑にもこんなにたくさんの色がある木ごと草ごと山々の色

寒いけれどよく晴れている。
駅に近き小公園に山茶花の赤き花、白き花異界のごとし
昨夜の上條氏からの電話で松坂弘さん、元木恵子さんの死を知る。ショックである。
老齢のうたびとの死をかなしみて追憶のいくつか友と語らふ
突然すずめが飛びだす。
地を這ふ低きに飛びだすすずめごの一羽におどろく二羽に魂消る

横須賀短歌会の例会に出てきた。出席13名。少なかったけれどもなかなかおもしろい会であった。
目に沁みてかへでもみぢの落ち葉なり横須賀は遠し歳暮るる日々
JR相模線、青き電車のかろやかに社家、門沢橋、倉見を過ぎつ
恐竜の雲のうたあり、柿のうた、そしてかくり世のうたありてたぬし
わが前を黒猫よぎる冬寒し山茶花白き花散るところ
