朝は曇り、雲が多いけれど明るい日だ。
けさもまた結露が窓の六分ほど覆へばあわてて結露吸ひ上ぐ
てのひらに泡洗剤を盛り上げて脂に汚れた手指を洗ふ
泡クリームを食べたくなるがこの不味きもの知れば二度と口にはすまじ
パティオにはひよどりいつもの鳴き声にこぶしまわしてわれに聞かせる

朝は曇り、雲が多いけれど明るい日だ。
けさもまた結露が窓の六分ほど覆へばあわてて結露吸ひ上ぐ
てのひらに泡洗剤を盛り上げて脂に汚れた手指を洗ふ
泡クリームを食べたくなるがこの不味きもの知れば二度と口にはすまじ
パティオにはひよどりいつもの鳴き声にこぶしまわしてわれに聞かせる

なんだろう午前四時頃から眩暈になやまされた。昼くらいまで続いた。
午前三時五十四分目覚むればくらくらとして携帯電話見えず
しばらくは天井揺れて収まらず目つむりてなほ視界揺れてゐる
食欲湧かねば朝のパン喰はず昼食に雑炊つくりやうやく食す
こんなにも居眠りたるも久しぶりこんなにも寝られる体力われにもあるか

今朝は朝からいい天気だ。片山杜秀『11人の考える日本人』読了。片山の文章は歯切れがいいので心地よい。後半の小林秀雄、柳田國男、西田幾多郎、丸山眞男あたりが面白かった。
考えねばただ莫迦になる小林秀雄、丸山眞男に見習ふべしや
村上春樹の新作を読んでいる。
「涙には匂いがある」との記述あり女性を愛するゆゑの語なりや
媛神をまつる鎮守の杜の空たかだか聳ゆ欅の古木

朝から雨だ。昨夜から腹が痛い。下痢気味でもある。
鶺鴒がけふは二羽来て遊ぶなり雨に濃くなるみどりの木々を
鶺鴒の鳴く声ちちとささやけばちちと応ふるもう一羽ゐる
ひよどりに替りたるかと思へどもひよどりはひよどりで木々を移ろふ
初燕やうやく雨の日に見えて九階の窓をよこぎる一羽

まだ黄砂は残っている。山が黄色い。
洗ひ籠から小皿とりだし片づける陶器がふれあひ軽く音鳴る
ていねいに茶器を洗ひて籠に伏せ満を持したる茶の時を待つ
ふれあへばかろやかな音をたててゐる小皿、大皿、どんぶりの音

大山、丹沢山塊は黄砂に沈んでいる。村上春樹の新作『街とその不確かな壁』の発売日だ。さっそく買った。
手に重き『街とその不確かな壁』をひらく未知の物語を辿らむとして
どことなくぼんやりしてゐる山際を見尽くさむとするに目が暈けてくる
目を擦りぼうとする視野に眼を凝らす朦朧たるは山の傾斜か
リモコン装置の下方に録画を予約する恋愛ドラマのしゃれた映像

雲が多い。夜には中国から黄砂がくるらしい。
東南アジアに拠点を構へ特殊詐欺を働く日本人日本人を騙す
カンボジアの十九人の詐欺犯を逮捕する彼らどこかにやましさなきか
なにゆゑに海外に渡り人を騙すおほかた日本の独居老婦人を
青き空の大山あたりに雲浮かぶけふも騙され詛ふ人あるか
