2022年12月7日(水)

小春日和というところであろうか。海老名方面へいくつかの買物へ。

  飛行機雲三機の航跡が西へ()く師走七日の寒きこの空

昨夜、石川さゆり50年の記念番組を視聴。この人の歌とともに時代を越えてきたのだとあらためて思う。わがカラオケはじめも城崎温泉のスナックの津軽海峡冬景色であった。天城越え、能登半島……ずいぶん歌ったっけなあ。けっこう上手であったとの自負もあるが、老齢化によりすっかり下手くそになってしまった。

  五十年、石川さゆりの歌ごゑに励まされ泣かされ喜びもあり

  わが時の流れに石川さゆりの歌がありその時どきのうたをつぶやく

2022年12月6日(火)

インフルエンザの予防注射を受けにさつき町診療所へ。そのまま今晩の総菜の買物へ。空は明るく晴れてきたものの寒いのである。

  甥っ子のはぐくむ信州リンゴ噛むこの甘やかなる果汁にほころぶ

  起き出でてああ(くら)といふ妻のこゑ師走六日の午前五時半

  窓に立つ妻の背後(うしろ)に望む空ひむがしの(はて)けさただ暗く

2022年12月4日(日)

朝方は晴れていたが、次第に雲が多くなってくる。

  固き実も仄赤らみてほぐれくる椿の木やがて花にほころぶ

  南斜面(なだり)の公孫樹の大木も葉のうちに黄の色混じへ師走四日

夜の椿のかげに痩せたる雪女郎

貫井徳郎『追憶のかけら』現代語版を読む。貫井らしいと言えばそうなのだが、このミステリイも壮大な構えをとりながら、実に他愛のないといえば他愛のない悪意の物語である。しかし、それでも涙ぐましい結末には泣かされてしまう。作中作が正字正かなで書かれていたものが、新版の文庫では現代語になっているらしい。正字正かな版で読んでみたかった。その方が虚偽を見破りやすかったのではないだろうか。だからと言ってもう一度読もうとは思いもしませんが。

  なさけなきわが身に近きミステリイどこか憎めぬこの主人公

2022年12月3日(土)

さすが十二月に入って寒くなって来た。寒いがよい天気である。

  東名高速御殿場辺りの渋滞情報点滅してをり師走に入れば

  時に行くトマト農園の売店にC級品のトマトを探る

  夢違観音菩薩を描きしが夢違へたるか悪夢けさ観ず

2022年12月2日(金)

今日も雲が重いが、晴れ間もある。

  昼時は天晴(あつぱ)れ冬の太陽のお出ましあれば鬱気も去にぬ

ここのところ毎晩、少しの晩酌を楽しんでいる。

  一合とわづかの酒にほてりたる老いのよろこびたはやすくして

  麹漬けの烏賊の塩辛を(あて)にしてゆつくりと呑むひと日の締めは

2022年12月1日(木)

今日から十二月だ。早い。

母の5回目のコロナ予防注射に付き添う。

  雲重く、そして厚くしてしづかなりこんな日は冬のコートを着て出る

一昨日のことだが、宮台真司が襲われた。暴力をふるわれたようだ。今読んでいる貫井徳郎『追憶のかけら』のエピソードを思わせるようで、妙に気になる。

  こゑもなく人切りつけて男なにをなすなにをせむとすなぜに語らぬ

木枯やいのちもくそと思へども 室生犀星

  湿りたる彩とりどりの朽ち葉踏みかなしむか朽ち葉よけてまた踏む

「清静は天下の正たり。」『老子』下篇45