2022年10月12日(水)

曇り空。温度もあまり上がらない。しかし生ゴミの袋にはまだコバエが生息していた。

ゴミ袋の中に生き延ぶる蟲どもよこばへ残党死ねよ死ね死ね

寒けれどなほ生き延ぶるコバヘたちそのしぶとさは愛すべきかも

『徒然草』第22段・第23段

おとろへたる末の世なれば古き世を慕はしといふ兼好法師は

夜の御殿(おとど)に「かいともし、()うよ」など言ふいみじかりけり

2022年10月11日(火)

朝から気持ちの良い日だ。それでも少し暑くなる。ひさしぶりに日の出を見た。

ひさびさの空のあかるさ。さねさしさがむを照らす天つ日出づる

天の日のこのあかるさをまぶしみて眼をつむりをり秋の陽の色

『徒然草』第21段

風こそがみやび人にはあはれなり。西行、秋の初風うたふ

おしなべて物を思はぬ人にさへ心を付くる秋の初風 西行 宮河歌合・西行法師歌集

2022年10月10日(月)

雨模様だったが、妻の車で相模原の女子美アートミュウジアムへ「柚木紗弥郎の100年」を観に行った。伝統工芸、民芸の古風さと現代アートのおしゃれな感じが合体した刺激的な展示であった。けっこう人が入っている。午後すっかり晴れてきた。

昨日小田原で買った龍神アンパンが美味かった。

アンパンを妻と分けつつ食ぶるにその甘さふたりの眼が笑ひだす

柚木紗弥郎の染めたる布のぶら下がる色どりゆたかな布ゆれてゐる

みどり羽の烏がけさも鳴き立てて空わたりゆく群ればらけ飛ぶ

脈動のくきやかなるは胸に埋まるペースメーカーの動きに拠るか

『徒然草』第16段・第19段

琵琶・和琴(わごん)聴きたきものを神楽こそなまめかしきと兼好のたまふ

亡き人の魂祭るわざ(あづま)にはいまだ残れる都にはなし

2022年10月9日(日)

朝8時過ぎ小田急線厚木駅を乗って、小田原から新幹線こだまで豊橋へ。豊橋で下車するのは何十年ぶりであろう。すっかり変わった街の雰囲気に驚き、古びて感じのよい中央図書館へ。「笛」の全国大会帰りの中西くんと合流して、「楡」バックナンバーの成瀬有作品を撮影。私は役立たずの補助者である。ほぼ4時半に作業を終えて、豊橋駅であった事故のため遅れている新幹線に乗り、小田原で下車。クラフトビールと夕食の後、中西くんと別れる。いやいや心満ち足りる充実した一日だった。

図書館の前のベンチに腰掛けて友を待ちつつサンドイッチ喰ふ

豊橋市中央図書館に「楡」を撮す案の定わが手のふるへとまらず

成瀬有の歌を読みつつ若かりし日のすがたおぼろけに想ひをりしか

2022年10月8日(土)

涼しいし、雨ではない。昼には青空も覗く。こんな日は、なんだか久しぶりのような気がする。

百日紅もそろそろ終りの花の色褪せたるが落ちて秋の木になる

苅田には白鷺一羽たたずめる日差しあかるきさねさしの国

夕焼けも(たま)にはありて山の()のくきやかにして秋の大山

『徒然草』第十三段。

窓ゆ秋のひかり入り来る()の上にこの世に見ぬ人の文読む(たぬ)

明日は「楡」のバックナンバーを捜索に豊橋へむかう。報告は明日以降になる。

2022年10月7日(金)

朝は雨ではなかったが、じきに降りだし、寒い。13℃ないらしい。おい、いきなりかよ。何を着ればいいのか、たいへん困るのである。そして終日雨だ。

雨ふれば(みづ)(はの)女神(めがみ)の降臨もあるかとおもへば少したのしき

人類は水に滅びむ。この雨に地球上の水量またもや()やす

いつもではないのだが、『徒然草』を少しづつ読んでいる。第7段。

われもまた世をむさぼりてあさましきかたちを恥づる心なき老い

終日(ひもすがら)雨ふりつづく肌寒や

2022年10月6日(木)

ひさびさの悪夢の夜だった。午前2時くらいに覚めた夢では、懐かしい友と紅葉の道を共に歩いていた。こんなすばらしい紅葉は見たことがないなどと言いながら楽しかったのだ。それが突然に道を失い、友は崖から落ちてゆく。援けられない。そして明け方に見たのは、定番のズボンの後ろポケットに入れていた財布を失くした混乱。どちらもいや~な夢でした。朝刊の訃報欄に津原泰水の死が出ていた。2日のことだという。何か関係あるだろうか。

掃除機を買い替えた。

われの坐す重き椅子引き出し新しき掃除機を使ふ絨毯のうへ

さねさしの地上に雨をふらす雲じわりじわりと暗雲うごく

けふも雨透明傘にわれも濡れ

透明傘の内なる悩みも見透かされけふなんとなく心あかるき