春めいて、よき日である。朝、六時過ぎ、円形に近い月が西空の高いところにかがやき残っていた。
円にちかき昨夜の月の残りをり。午前六時の暁闇の空
西空に耿々と残る月の色。ひむがしはやうやうだいだい滲む
なんとなく屈託あれば、ベランダに 伸びをしてみる 右腕だけの
左腕は、心臓ペースメーカーのせいで回転運動や上げることも制限されている。そのうえ左肩は五十肩であろうか、ここのところ痛い。
ジェット雲短く引きて、西へ赴く。立春すぎて二月春の日

春めいて、よき日である。朝、六時過ぎ、円形に近い月が西空の高いところにかがやき残っていた。
円にちかき昨夜の月の残りをり。午前六時の暁闇の空
西空に耿々と残る月の色。ひむがしはやうやうだいだい滲む
なんとなく屈託あれば、ベランダに 伸びをしてみる 右腕だけの
左腕は、心臓ペースメーカーのせいで回転運動や上げることも制限されている。そのうえ左肩は五十肩であろうか、ここのところ痛い。
ジェット雲短く引きて、西へ赴く。立春すぎて二月春の日

昨日はいささか春めいたようであったが、今日は雲があり、寒い。NHK「日曜美術館」は、亜欧堂田善、江戸時代後期の洋風画家、銅版画家であった。日本の洋画初期の人。
亜欧堂田善といふ名のおもしろさ洋風画のなかの棒立ちの人
風邪を引いたころから、夜最後にカモミール茶を飲んでから寝ている。咳を抑えるためだったが、咳が出なくなったいまも温かな一杯を飲むと落ち着くような気がしてつづけている。
冬の夜の風呂上りに喫むカモミール。腹に枯れ草の原が広がる
カミツレ、カモミールのこと。文政年間に渡来したという。亜欧堂田善がまだ生きていた時代だ。
江戸末期文政年間に渡来せし。亜欧堂田善の死ぬる頃なり

春めいた日である。少し暖かいか。筒井康隆と蓮見重彦との対談・往復書簡『笑犬楼vs偽伯爵』を読む。なんだか共感を装っただまし合いのようで、読み物としてはきわめて面白いが。
老作家と老文学者とのばかしあひ、かくも愉快に宿命騙る
妙に春めいた日だ。
ねぢくれたざくろの幹の偏屈を、冬なれば見つ。その性根をば
木蓮の春の芽尖るけばけばの ひかり帯びつつ、いのちの花芽

今日も寒い。柴田錬三郎『わが青春無頼帖』を読む。「善良な市民になる料簡はない」、戦争体験、とくに二度目のバシー海峡での七時間にわたる漂流、そしてそれこそ無頼を誇る赤裸々な女性体験、さらに眠狂四郎誕生譚。いやいや面白い。
無頼とは女性を捨つる謂ひなるか柴田錬三郎いくたりを捨つ
沈没し海上に浮く七時間ただ空白の時間と言へり
わたしにも善良なる市民になる気はなし偏屈でよし頑固がよろし

朝から北風が強く曇り気味。寒いのである。
劇的なる日の出はあらず。如月二日、朝は小暗く 明けてゆくなり
稲荷社の紅白の旗、風に鳴る。三眼六足の きつね出づるや
白梅の咲けば、しづかに春がくる。今年の梅の、あまり香らず

今日から2月である。家の中のカレンダーをめくる。しかし寒い。
しをたれた葉を五枚つけ欅樹の高きところの枝、風に揺る
後の世には第三次世界大戦と呼ばれんかウクライナへのロシア侵攻
如月は短きものと古来より決まりしものかなにゆゑならむ

今日も寒い。昨日より朝は寒かったし、昼以降も寒い。柴田錬三郎『わが青春無頼帖』を読んでいる。
赤裸々なるヰタ・セクスアリス暴露する柴田錬三郎その無頼よし
てつぺんの枝をくねっと彎曲るけやき、冬木の骨格あらはなりけり
貧弱なる木なれど欅はけやきなり。繊き尖り枝、空を突刺す
