2022年9月27日(火)

朝は涼しい。昼には暑い。大和で中西くんに会う。借りていた「楡」を返す。彼との会話は楽しい。

けさも地に落つる欅の葉を拾ふ黄の色あざやぐこの一枚を

けやきの葉拾ひ蒐めて鉛筆絵にとどめて弔ふ葉にあるいのち

褐色にもみぢする箇処指にさはるけやきもみぢの葉のたましひに

2022年9月26日(月)

朝は秋冷感があり心地よかった。しかしじきにむっとした暑さ。20℃代後半になっている。『ヘルドッグス』からはじまる深町秋生の三部作、『煉獄の獅子たち』『天国の修羅たち』を読み終える。この極道と警察社会をとりまく暴力の連鎖の迫力は圧倒的だ。しかし、もういい。もうたくさんだ。

椿の実はじけて枝に殻残す裏黒き殻やがて落下す

椿の実の殻の内側 暗黒の闇の領域つばきの未来

2022年9月25日(日)

山に近い墓へ行ってきた。亡き父は仏教徒ではないが、秋の彼岸ということだ。昨日か一昨日に来ようと相談していたのだが、台風15号の雨に阻まれた。木々も墓石もまだ濡れている。

石ひとつあればわが墓とおもふべし

墓に刻む文字(もんじ)に深く溜まる水二日の雨にいまだ満ちたり

この墓の石も三十余年経て霊は憑らねど古びたりけり

墓のある山にはいまだ蟬のこゑとぎれとぎれに鳴く声やまず

2022年9月24日(土)

朝から台風15号の動きによって雨が強弱をつけて断続している。それほど強い台風ではないのだが、翻弄されているかのようだ。

朝からの雨にすつかり濡れそほつ沙羅の木の葉のくろずみはじむ

昨夜よりの雨に下垂る水しづく止むときなしにわが傘にふる

2022年9月23日(金)

秋分の日(むかしの秋季皇霊祭)である。朝から雨がふったりやんだり。涼しいような、まだ暑いような。

衣を裏返して寝ると恋人を夢に見るそうだ。「わぎもこに恋ひて術なみ白妙の袖返ししは夢に見えずや」(万葉集・2812)、小野小町「いとせめて恋しき時はむばたまの夜の衣を返してぞ着る」(古今集・554)、西行「さはと言ひて衣返してうち臥せど目の合はばやは夢も見るべき」(山家集・701)というような古典和歌があるものの、実際に恋人が夢に見えているとは、どうも思いにくいのだが。パジャマを裏返しに着なかったためか、ここのところ見なかったひどい悪夢に、昨夜は魘されたのであった。

夢の中の街に迷ひて立ちどまる人の影なき商店街に

シャッターの閉まつたままの雑貨店うめきごゑする店の内より

この径をしばしたどれば猫町かいや猫も人も影ひとつなし

裏返しにパジャマは着るべし悪夢より恋する人の笑顔みるなら

裏返しにパジャマを着れば咎めらる

2022年9月22日(木)

朝から涼しいというか夏のままの格好だと寒い。長ズボン、長袖シャツ、カーディガンも羽織る。昨日はむすこが帰宅。ちょっとだけ飲んだ。楽しかった。

あんぱんの臍噛みすこししおはゆく妻の臍などおもひ出したり

をさなごの出べその汚れを洗ひやるわが三十代花のごときか

しおはゆきあんぱんの臍さくら花