今日から9月である。
いくたびかにはか雨ふり傘なくばいく度も小走り九月一日
横断歩道の手前を黒き猫がゆく悠然たれば車も停まる

今日から9月である。
いくたびかにはか雨ふり傘なくばいく度も小走り九月一日
横断歩道の手前を黒き猫がゆく悠然たれば車も停まる

今日で8月も終いだ。明日から9月。今日もまた暑いのだが、しかし今年の夏はほんとうに暑かった。そして内容も濃かった。さらに成瀬有全歌集も加わり、大変なことになっている。
夏草をことごとく刈る空地には鳩が拠る、すずめが来る、ひよどりも飛ぶ
双眼鏡に覗けば鳩の動きみゆくくくと頸を前後して鳴く

今日も涼しい。この夏の暑さが嘘のようだ。しかし、このまま涼しくなっていくのであろうか。これまた嘘ではあるまいか。
蛇口より下垂る水はなほ温く蟬鳴くこゑもいまだに止まず
生よりも未生の時間のながきこと地中にひそむ蟬の幼虫

意外な涼しさである。妻の夏休みは昨日まで。今日から2学期がはじまる。
花林糖がりりぼりぼりその甘さ妻の不服もしばしおさまる
ここのところ成瀬有『真旅』の歌をパソコンに移している。
パソコンに成瀬有の歌うつしつつああそこにゐる成瀬有が

朝早く、明日のプレゼンの準備のために、むすこは帰る。今日は25度前後で推移するらしい。妙に涼しいのだ。
中庭の木を案内して欅のまへ来歴かたるわが寂しさを
百日紅 の由来をむすこにさとしつつ幹滑りくる猿を想ひき
椿にはねつとりとしたねばりある八百比丘尼のいのちのやうな

34℃。暑い。燃やすゴミの日。むすこが「短歌往来」に出すための木の写真を撮りにきてくれる。
耳をすませば何か聞こえてくるものか風吹く街の夕暮れどきは
わが腕を這ひのぼりくるコバへあり思いつきり叩けばわが腕痛む

今日もそこそこ暑い。登戸で中西亮太くんと会う。成瀬有の初期歌篇の件。多摩川を前にして楽しい時間であった。「楡」10冊預かる。むすめの誕生日でした。メールを送る。
「岸辺のアルバム」の日をおもひみむあの昼も小田急線に多摩川を越す
二十年ぶりの会ひなればしばらくは彼と同定できずとまどふ
うちとけて短歌、歌壇のあれこれを語りあふああこの愉しさよ
