冷房が必要ないくらいに風が通り、涼しい。
夏草をことごとく刈る空地には鳩が拠る、すずめが来る、ひよどりもゐる
双眼鏡に空地を覗けば鳩の動きくくくと鳴けるその態みゆる

冷房が必要ないくらいに風が通り、涼しい。
夏草をことごとく刈る空地には鳩が拠る、すずめが来る、ひよどりもゐる
双眼鏡に空地を覗けば鳩の動きくくくと鳴けるその態みゆる

朝から結構暑い。40分ほどのトイレ掃除に汗だくとなる。海老名農協の販売所に出掛けるが休み、寒川のわいわい市まで足を延ばしたが、ここも休み。農協関係は水曜日が休業日なのだ。忘れないようにしよう。
トイレの個室にこもり掃除するTシャツも半パンツも汗みどろにて
ベランダにほうとしてゐる老いひとり隣に妻が空を見にくる

朝は涼しいが、昼は暑い。
あけぼの杉の高き葉むらにすがりつく空蟬二つ成仏できず
われもまた成仏できぬ蟬のごとすがりつくものを求めさまよふ

部屋に風が通って、やや涼しい。
芭蕉『笈の小文』を読む。何度か読んでいるのだが、ようやく意を汲めるようになってきたような気がする。白馬へ行っているとき『奥の細道』を読んだのだが、今まででもっとも腑に落ちたような。60代になって、ようやく古典が読めるかもしれない。「百骸九竅の中に物有。かりに名付けて風羅坊といふ」にはじまる大和紀行、愛知県の保美に謫居する杜国を訪ねる。このあたりの芭蕉の句、どこか艶めいている。「寒けれど二人寝る夜ぞ頼もしき」「冬の日や馬上に氷る影法師」「鷹一つ見付けてうれしいらご崎」、そして伊勢に再会する杜国。ここでは万菊丸と名乗り、笠の内への落書き「よし野にて桜見せうぞ檜の木笠」、「よし野にて我も見せうぞ檜の木笠」。前者が芭蕉、後者が万菊丸である。二人の細やかな愛情がうかがえはしませんか。
万菊丸、童子を名のる同行者よし野のさくらに三日とどまる
風羅坊は万菊丸に逢ひにけり笠の内ふたりの句を書きつけて

この数日続いている朝の涼しさ。やがて蒸し暑くなるのだが、今朝も北の風があって気持ちよいはじまりではあった。
蟬のこゑ乏しくなればここもまた寂しくなるか子ら寄りこずに
蟬の鳴く木々を探りて子らのこゑたのしげなるを老いわれよろこぶ

部屋に風が通り、わりあい涼しい。
一階の扉のまへに裏返る蟬の死殻触るれば息ある
触れむとすれば最期の抵抗じじと鳴き手足うごくああ油蟬なり
マンション前の空地の夏草の繫りが今日、老作業員たちによって刈られた。例年の草刈りであればいいのだが、ここから工事がはじまりでもしたら嫌なことだ。
夏草の繁り刈られて更地となるここに棲み暮らす鳥もゐにけり

朝は少し涼しかったが、日中は相変わらず暑い。妻と千駄木の団子坂上の森鷗外記念館を訪ねる。団子坂下の洋食屋でランチ。私はふわふわオムライスに妻はナポリタンスパゲティ。けっこう美味かった。
観潮楼歌会はここに行はれ伊藤佐千夫も団子坂のぼるか
団子坂急なる傾斜を斜めになり上る夫婦の息荒く吐く
江戸川乱歩『D坂殺人事件』
D坂は明智小五郎の解き明かす殺人事件あり坂降りてくる
