2022年8月18日(木)

午前中、けっこう激しい雨だった。心臓ペースメーカーの一年点検。レントゲンと心電図を撮って診断。年に百回ほど拍動の激しくなる時間があるらしい。そのためペースメーカーの調整をしてくれたらしい。それも調整できてしまうのだ。なんだかほんとうにサイボーグ化しているのか、おれは。

奇峰突兀として夏の空さがみ大山の背後の白雲

ここ数日の川の激しき流れなりいたづら好きの河太郎ひそむ

2022年8月17日(水)

朝、小雨ながらすでに暑い。長野旅の疲れがぬけていないようだ。よっぽど楽しかったのだ。15日から娘が家にいる。結婚後のあらたな部屋に移るまでのしばらくだが、これまたなんだか楽しい。

あけぼの杉の下にたたずみ樹を仰ぐ少年がゐる若きわれかも

この樹にはくわんおんさまの住むといふ仏の時間を少年禱る

2022年8月16日(火)

墓の掃除に墓苑を訪れる。朝から日差しのきつい墓苑であった。

古びたる父の墓石に汚れあれば夏の日差しのなかを拭へり

わが家の名を刻みたる墓石にしばし頭を垂る空白の時間(とき)

池田町の万願寺たうがらしを絵に写すしなのの(くに)(たま)わが(うち)に来よ

2022年8月14日(日)

白馬、最終日。なごり惜しいが、また来年ということで、中央高速の渋滞をおそれ早めに出発する。池田町の道の駅と酒蔵に寄って、地の野菜や桃を安価に仕入れ、大雪渓4合瓶を3種類。中央高速の渋滞は免れたのだが、座間のあたりの抜け道でひまわり畑の観覧客の車の渋滞に巻き込まれそうになった。前を走っていたタクシーの方向転換を参考になんとか脱出。面倒なことになりそうだったが、どうにか避けられた。しかし、海老名はとんでもなく暑い。白馬のさわやかさが懐かしい。

この旅に池田町の豊かさを発見する野菜の旨さ、地酒の美味さ

発泡する花紋大雪渓を汲みながら妻とかたらふこの旅のこと

2022年8月13日(土)

朝食の後、近くのこだわりのパン屋に昼のパンを買いに、ついでに平川の河原に遊ぶ家族たちを見て、セブンイレブンへ。午後は五竜テレキャビンに乗って標高1515メートルのアルプス平へ。雪渓も残る五竜岳、大黒岳、唐松岳などの眺望を間近に楽しむ。この圧倒的な山岳風景を観るのは、何度も白馬にきているがはじめてのことだ。いやあ、凄かった。この夜、雨がちの白馬村に花火が打ちあがった。迎え盆の夜だ。

雨ふれば魂なやますごときかな宿りの窓に降る雨ながむ

百年も昨日のごとくに過ぎにけり五竜の峰をめぐる山やま

北信濃の山近づけばここちよき木々の間わたる風しづかなり

高々とロープウェイにのぼりきて尋常尺度に測れぬ山稜

雪渓はなほも筋なす岩稜を雲うごく北アルプスの山

蜩のこゑしづかなる白馬村樹々の影濃く夕ぐれてゆく

八月十三日ひそかに雨のふる夜は迎への盆の花火鳴りをり

盆の夜を旅の宿りに妻とふたり郷土の酒をちびりちびり

六人の侏儒(こびと)の踊りにまじりたる荻原守衛汗かきてゐる

盆の夜の白馬の村の遠花火さびしくあれば旅人ならむ

遠花火果つれば寂しもう一献池田の酒を冷にていただく

2022年8月12日(金)

大町の山ふところに鎮座する古社、仁科神明社は昨日訪ねた。この日は地元の酒蔵、池田町の道の駅などで昼や今夜の酒・食料を仕入れ、白馬村のいつものログハウスへ向かう。昨年は日程の都合がつかず白馬には二年ぶりである。相変わらず白馬の村は美しい。そして朝夕は涼しい。昼は池田町の道の駅で買った山菜おこわ、夜はいつもの町の洋食屋へ。どちらもうまい。

仁科社の古き世のごとき本殿に参りて涼しこの山の風

神宮寺の滅びてのこる跡どころここにも近代の歪みが残る

ちはやふる神も坐せり仁科の郷山ふところに古社仰ぎをり

まあ、そんなことは無理なのだが

十郎の湯につかりつつこの二年のわが来し方をおもひみむとす

十五分の限定がある湯浴みなり温泉もそそくさと入りて出でたり

逸早くすすき穂黄金(きん)のかがやきに白馬の村は秋に近づく

蟬のこゑ折をり聞こゆまだ夏のなごりもありて高き木々の間

早稲の香のたゆたひあれば白馬(しろうま)の村に一夜を過ごし来にけり