天皇を怒りて死する磯部浅一八十五年怨霊のままか
<主人メモ> 二・二六事件から85年。

天皇を怒りて死する磯部浅一八十五年怨霊のままか
<主人メモ> 二・二六事件から85年。
少しづつ寒さ緩むかもくれんの花咲くときのいましばし待て
中庭の白梅の木のあかるくていまさかりなり三本そろふ
掛け寝なく海老名のあかるきこの陽光これだけで十分だこれだけでよし
千三百年前にも七重塔が立つ布目瓦をわれも拾ひし
<主人メモ> 海老名はあかるい。
新しき眼鏡にかえてたのしきは近視度すこし緩みはじめつ
戦国の世なれば切迫してゐるか天橋立図たのしきろかも
<主人メモ> ここのところ雪舟等揚の絵に感心している。 東博にもいくつか収蔵されてれている。 近いうちに訪れたいものだ。 また保田與重郎『日本の美術史』に 「「雪舟の切迫した強烈な画風には、浄土がない。」という名言があることを知る。
多喜二忌は風つよくあれ温泉に猪鍋たのしむ時こそありしか
<主人メモ> 小林多喜二は昭和六年に厚木七沢の福元館に泊っている。