さすがに19℃になるというだけあって、まあ暖かいが、家の中はなかなか暖まらない。マンションの図体そのものが冷えているからだろうか。
老い三人が食べ汚す皿、茶碗など洗剤まみれに湯をあびせをり
行住坐臥怠けてをればかくのごとき老いたるものがテレビ見てをり
けふもまたよき日なれども軀の奥にわだかまりあり老いたればなほ
昨夕の妻の行動を
あわただしく出たとおもへばあわただしく帰り来るなりこよひの妻は

さすがに19℃になるというだけあって、まあ暖かいが、家の中はなかなか暖まらない。マンションの図体そのものが冷えているからだろうか。
老い三人が食べ汚す皿、茶碗など洗剤まみれに湯をあびせをり
行住坐臥怠けてをればかくのごとき老いたるものがテレビ見てをり
けふもまたよき日なれども軀の奥にわだかまりあり老いたればなほ
昨夕の妻の行動を
あわただしく出たとおもへばあわただしく帰り来るなりこよひの妻は

朝から青天、雲一つない。
寒桜の類の花が咲きはじめあたたかくなるきさらぎ終り
毛髪のすくなき頭が痒しかゆし五指にはげしく幾度も掻きたり
昨夜、所要有りて、一人の友に電話する。
友への電話に応ふ低きこゑ最後にかならず愚痴ありて終ふ
キッチンに電気釜炊く湯気濛々午後六時半空腹に鳴る

二・二六事件から87年、雪ではない。よく晴れて寒い日である。この国ではクーデターがおこる気配もないが、世界情勢は実に不穏である。
妄想に蹶起をおもふ若き日のわれにもありき青臭きころ
昨夜、木蘭の木の下にひとりたたずむ。まだまだ花には遠いのだが、
白木蓮花満ちて咲かむ木のもとにけはひのみにて夜の目にみえず
心処に鬱挹あれば洗ひ籠の大皿、小皿、碗が鳴りだす
椿の木に紅きつばきの花ひらく今年は殊にあまた咲き出づ

晴れているが、なかなかに寒い。
重ねたる小皿のけさの音ぞよきひむがしの空あかるむ頃に
朝に立つ食器を棚に収むる音わが手が立つる日課の音なり
ひむがしの空より来たる朝のひかり町の家居の壁面照らす
橋を渡り隣町へ。いつも通る小路に梅が満開だ。
梅の花はどこか平和の匂ひある紅梅、白梅咲けばうれしき

今日はずうっとうす曇りの空で、なんとなく寒々しい。
蛇口開け湯になるまでの一分ほど家の内しづかなりただ水の音
朝はまづ食器の始末 皿、碗のふれあふ音に今朝もはじまる
朝日なくば蕭条として淋しきよあけぼの杉の枯れがれの木
『老子』下篇68
戦ひの古へからの極意とは「不争の徳」なり「天に配す」
『徒然草』157段
「心は事に触れて来る」べし外相背かざれば内証必ず熟す

まあまあ晴れている。いささか寒いが。
あけぼの杉の枝に濁声に鳴くひよどりさがみの国の朝のはじまり
二俣川で娘と会う。
休日の昼の電車に揺られゆられ春のひかりと運ばれてゆく
『老子』下篇67
慈しみ、倹しさ、敢て天下の先にならねばこそこの世はうまく治まるといふ
『徒然草』156段
新任の大臣のうたげの故実識す兼好法師はつれづれぐさに

青天である。されば寒い。
夜の光と朝のひかりが交差するこの時惜しみ妻とたたずむ
建物の角を巧みに廻りこむ飛行上手の若きひよどり
今日も川向こうの町へ。
己が影を追ふやうに低く飛ぶ鳶若き羽根色ひかりをまとふ
『老子』下篇66
「争わざるを以て、天下能く争う莫し」プーチンや習近平に聞かせたき語
『徒然草』155段
「死期はついでを待たず。かねて後に迫れり」兼好法師の語に得心す
