晴れて良い天気だが、風が強い。
散歩に出たものの風に煽られて歩きにくい。
それでも三川公園まで行ってきた。
連休中だからか子どもが多い。
さくら木に果のみのる頃鬱蒼とみどり広がり季節が移る
やや赤き実をあまた付け葉ざくらの右往左往す大南風
桜の果のつやつやしきを枝に著け若き壮りのさくらの一樹
はつなつの風に欅の木の葉ゆれ夕ぐれなればながき木の影

晴れて良い天気だが、風が強い。
散歩に出たものの風に煽られて歩きにくい。
それでも三川公園まで行ってきた。
連休中だからか子どもが多い。
さくら木に果のみのる頃鬱蒼とみどり広がり季節が移る
やや赤き実をあまた付け葉ざくらの右往左往す大南風
桜の果のつやつやしきを枝に著け若き壮りのさくらの一樹
はつなつの風に欅の木の葉ゆれ夕ぐれなればながき木の影
午前中は晴れていたが、午後3時くらいから雷雨。雨激しく、雷轟く。
中庭の槐に花が咲く。
花槐咲きはじめたる五月かな
槐の花ひとつひとつがせつなさやさみしさを持ちゆれてささやく
永井荷風は1954(昭和34)年のこの日午前3時頃、胃潰瘍の吐血による心臓発作のため死去。79歳。今日に合わせて『濹東綺譚』を読む。いいですねえ。いつか玉の井ラビラントを訪れてみたいものだ。荷風は、若い頃に文庫になっているようなものは大方読んでいたが、良さを本当にわかっていたのか。まったくわかっていなかったろう。あらためて読み直したい。
向島玉の井あたりのむかし町荷風好みの迷宮ありき
たばこの吸ひさし数本が落ちてゐるここに謀議が謀られたるか
荷風忌は蓮根食ふか蒸籠にはすのねも載せふかしはじめる
朝から一日雨です。澁澤龍彦『高丘親王航海記』を近藤ようこが漫画化したものを読む。
天竺國印度へ赴きたき時がある菩提樹の下に花を拾はむ
両性具有に焦がれし日もありしわれなれどいまは正しき翁をめざす
親王は夢みることに堪能なりわれは下手くそ悪夢に覚むる
今日は少し暖かい。散歩はまた川を越えて隣町へ。電柱を見上げる少年がいた。
青天に電柱あふぐ少年は陶製碍子をたしかめてゐる
碍子を楽しめる少年、素晴らしい。
碍子のごとく絶縁傾向あるものか少年はどこか孤高のおもむき
けふなぜか犬曳く人に多く遭ふ吠ゆる小犬あり尿する犬ゐる
今日の散歩には買い物を兼ねて、橋を渡って隣の町へ。途中、寺の脇の道にビール瓶の破片が散らばっているところがあった。
憤懣のその勢ひに叩き割るビール瓶の破片怒りの燦爛
火曜日の夕食担当は私だ。
新玉葱の目を刺す臭ひ充満するキッチンは刺激的創作のとき
麻婆茄子に旬の刺盛り、蒸し野菜、玉葱スープがけふの晩餐
今夜の月はピンク・ムーンだそうだ。明るい、明るい月であった。
今日は青天なれど北風が強く寒い。少し前からツバメがきている。
若葉繁るあけぼの杉の木の下は祈りの場所なり心鎮まる
九階の窓のあたりに燕きて高速反転の技を披露す
今年は杏の花に遭えなかった。室生犀星の「小景異情」この詩を想うのだが。
あんずよ/花着け/地ぞ早やに輝け/あんずよ花着け/あんずよ燃えよ/ああ あんずよ花着け
今年つひにあんずの花に会はざりき室生犀星をおもふ日々あり