2025年4月13日(日)

朝方曇りだったが、やがて雨。今日一日雨である。

松下龍之介『一次元の挿し木』読了。大学でのDNA鑑定と日本の企業、そして樹木の会という新興宗教が絡み合って、ミステリアスな展開、少女たちが美しい。なかなかに鬼気迫りながら、たちまちに読ませる。たのしい読み物であった。

  満開の木蘭をよそにザクロの木独自にくねり太き幹なり

  海棠も赤きを交えさみどりの色見せて春の訪れである

  冬の木も枝ごとの芽のみどり色あきらかにここに春の目覚め

『論語』陽貨二三 子路曰く、「君子、勇を尚ぶか。」孔子曰く、「君子、義以て上と為す。君子、勇ありて義なければ乱を為す。小人、勇ありて義なければ盗を為す。」

上に立つ者・下々の者。「君子・小人」はここでは在位者と被治者。

  勇ありて義もあればそれが君子なり勇ありて義なければ盗をなすのみ

前川佐美雄『秀歌十二月』一月 西行法師

はるかなる岩のはざまにひとりゐて人めおもはで物思はばや (新古今集・巻第十二)

ともあれはなはだ近代的な感じのする歌で、しずかだけれどその感情は強く端的に表現されていて、新古今集中恋歌の絶唱、これにおよぶものなしと断じたい。

偏屈房主人
もともと偏屈ではありましたが、年を取るにつれていっそう偏屈の度が増したようで、新聞をひらいては腹を立て、テレビニュースを観ては憮然とし、スマートフォンのネットニュースにあきれかえる。だからといって何をするでもなくひとりぶつぶつ言うだけなのですが、これではただの偏屈じじいではないか。このコロナ禍時代にすることはないかと考えていたところ、まあ高邁なことができるわけもない。私には短歌しかなかったことにいまさらながら気づき、日付をもった短歌を作ってはどうだろうかと思いつきました。しばらくは二週間に一度くらいのペースで公開していこうと思っています。お読みいただければ幸い。お笑いくださればまたいっそうの喜びです。 2021年きさらぎ吉日

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