2022年10月31日(月)

今日も気持ちの良い秋の日だ。一昨日の新聞の読書欄で横尾忠則の書いた書評を読んだ。宮竹貴久『「死んだふり」で生きのびる 生き物たちの奇妙な戦略』(岩波科学ライブラリー314)だが、書店にあったので買ってしまった。絶対読むぞ。

  アボカドの實の大なるを繪に寫すそのたましひよわがもとに來よ

なんだか正(旧)漢字を使いたくなって。

世界各地、あちこちに紛争は絶えない。

  常世の長鳴き鳥のいつ鳴くか世界全土の悉く闇し

  紛争はいづこにもあり常夜往く安の河原に神がみ集へ

『老子』上篇24 希言は自然なり=聞きとれない無声のことば―「不言」―こそが、自然なありかたである。

2022年10月30日(日)

今日もまた秋のよき日である。昼を過ぎて雲が多くなる。

  日曜の朝は少しく遅く起きカーテンをひらけば秋のまぶしさ

『徒然草』第82段、83段

  損じたり、不具なりしこと、欠けたるがいみじきといふ隠者のことば

  老子的言辞もものし中世の知者は説くべし「亢龍の悔」

2022年10月29日(土)

秋の日らしい一日であった。沙耶の結婚届に保証人としての署名をする。

  暮れのこるだいだい色の雲の端ああけふ一日の未練のごとく

  老いわれにいろは匂へど高嶺の花うつくしきものはただみてをりぬ

  散りぬるを惜しめどもとには戻れざる摂理といへど恨みがはしき

2022年10月28日(金)

雲は薄いが、つねに曇っている。そして寒い。

  曇り空にも時の間透けて秋の色青深々しのみこまれゆく

  秋の日の野風に吹かれただよふは銀のすすき穂わがたましひか

『老子』上篇21

「道の物たる、惟れ恍惟れ惚。恍たり惚たり、其の中に物有り。惚たり恍たり、其の中に(しょう)有り。窈たり冥たり、其の中に精有り。其の精甚だ真、其の中に信有り。」

  瞑想の深き思念におぼろけなるなかに確かに在るものを探る

貫井徳郎『プリズム』読了。『慟哭』以来ひさびさの貫井ミステリイだが、あいかわらず凄い。犯人はいったい誰なのか。子どもたち?

2022年10月27日(木)

さすがに寒い。木曜日はビン・カン類を処理する日だ。

  袋に提げてビン・カン鳴らし捨場まで楽器演奏したる心地す

  けふの曲は少しかろやか空中にけやき黄葉の舞ひたるもみゆ

今日も嫌な夢をみた。博覧会場で何人かの知人と待ち合わせをしていた。数人とはすれ違ったり、少しだけ接触するものの、待ち合わせていた全員と出会うことはなかった。だから探したのだ。探せばいつもの悪夢の風景だ。ここはまた崖の淵。嫌な夢だ。

  憂悶の夢といふべし。知り人のひとり去り、ふたり去りわれ孤りなり

『老子』上篇20

  憂愁と慷慨の気をひびかせて老子の文言かく流麗なり

2022年10月26日(水)

朝からあかるい秋のひかりが満ち溢れている。

  てふてふにまがふがごとき欅もみぢあさのひかりに木の葉散りくる

  米二合にトイレットペーパーを購ひて小田急線を一駅戻る

『徒然草』第73段・74段

  兼好の時代もいまのこの時も「とにもかくにも、虚言(そらごと)多き」

()するところ、ただ(おい)と死とにあり」かくいふほどに覚悟はできず

『老子』上篇19

()(あら)はし(ぼく)(いだ)け」 飾りけのない(きぢ)地のままを外にあらはし、()り出したままの(あらき)のやうな純朴さを内に守れ。  いいこというね。

  いつまでも(あらき)のままで生きてゐたし世に泥むこと断固拒むべし

2022年10月25日(火)

今日も朝から寒い。今年初のセーターを着る。

  こんな日は暖炉の部屋に火を燃やしあまきココアにあたたまるべし

暖炉の部屋なんかありません。

  ミステリイ小説を読み(ほど)きゆく秋の昼どき()けさうで解けず

『徒然草』第72段

  文車ふぐるま)(ふみ)塵塚(ちりづか)の塵は多くとも賤しげにはあらずと兼好は言ふ さて

『老子』上篇18

「大道廃、有仁義。智慧出、有大偽。六親不和、有孝慈。国家昏乱、有貞臣。」

  逆説にこの世の乱れを説く『老子』いまこそ読むべし無為こそ自然