2022年11月7日(月)

少々寒い。雲が多いけれどまあまあ明るい。

  大空のふかきところにわだかまる渾沌こんとん白雲(はくうん)うごく

  九階に覘けばけやきのもみぢ葉もひかりにあかるく散り落ちてゆく

『徒然草』104段・105段

  (えん)にをかしかりしをおもひ出で桂の木ある宿(やどり)過ぎゆく

  有明の月や残れる堂の廊ものがたりするをみなのありき

葉室麟の遺作でもある『星と龍』を読む。楠木正成を主人公にした悪党たちと後醍醐天皇の北条を滅ぼす戦いと建武の新政の時代を対象にした歴史小説。早き死により最後まで読めなかったことがほんとうに残念だが、興味深い楠木正成像だ。

  楠木正成はわがヒーローの一人なり心にうたふ桜井の別れ

2022年11月5日(土)

曇り空の朝は寒かったが、昼過ぎて青天に。

  朝の庭の落葉、朽ち葉を拾ひゆく老いのすがたのいかにかみゆる

  花水木のもみぢ葉に赤が混じる葉をひろひて心あたたかくなる

  ざくろの小さき葉々も黄の色のあざやかなりき秋の午後の陽

『老子』上篇31

  プーチン氏よよく聞きたまへ『老子』には兵は「君子の器に非ず」

2022年11月4日(金)

昨日より少しだけ涼しいが秋のあかるい日である。

  黄、紅、茶色それぞれに変化する木々の葉うつくし時はうつろふ

  腕時計を腕から外し風呂へ入るけふの縛りを解きくつろぐ

『徒然草』96段

  まむしにはめなもみ草を揉み付けよ兼好法師蘊蓄かたる

2022年11月3日(木)

明治節、明治天皇の誕生日である。戦後は文化の日。

  水分のうすれゆく葉になほすがる空蟬(そらせみ)ありき風吹けどなほ

  葉にすがり高きところに吹かれゐる蟬の抜け殻深秘じんぴ

『徒然草』92・93段

  懈怠のこころ刹那においておこり得る人間といふあやふきものは

  死を憎まば、生、愛すべし存命のよろこび日々にたのしまざらん

2022年11月2日(水)

今日も秋らしい日だ。気温も少し高い。

昨夜、静嘉堂文庫の曜変天目茶碗を紹介するテレビ番組を観た。

  曜変天目茶碗のあやかしのやうなる色目夜に思ひをり

  南宋の時代の茶碗のあやしさを手に取りてみたしその冷たさを

『徒然草』第90段

  「などか頭ばかりの見えざりけん」嘘は言へぬぞ寵童とても

第91段

  「吉凶は、人によりて、日によらず」兼好の(げん)端的なりき

2022年11月1日(火)

早いものだ。今日から11月である。この時の流れに老人はおろおろするばかり、ついて行けない。

  火曜日は空ペットボトルを袋詰めにふりまはし、音たてて放り投げたし

悪夢はみなかったが。

  冬布団のぬくときところに安らぎつついく(たび)も覚む老いのねむりは

『徒然草』88段・89段

  道風の書く『和漢朗詠集』を秘蔵せる人ありにけりこのまがひもの

  猫またてふ妖獣を記す兼好法師種明かしあればまあそんなものか