2021年9月18日(土)

台風14号の影響で雨の一日。昨日はステージ4の悪性リンパ腫が発見されてから16年目であった。どうやら9月17日は鬼門の日であるようだ。

  十六年目の九月十七日ことしもまた病院へ行くエコーの検査

  台風十四号の余波ならむ豪雨予報ありすでに雨降る

この歌日録をはじめる頃から、小さな画帖に鉛筆画を書いて楽しんでいた。日々、日録の下にある絵がそれだが、最近は色鉛筆がになっていることにお気づきだろうか。下手くそなものですが、お楽しみいただければ幸いです。 なす、トマトを色鉛筆にゑがきたり野菜のいのちを写さむとして

2021年9月17日(金)

朝から曇り。えびな脳神経外科に首筋のエコーと診察に。結果、経過観察。次回は一年後。しかし梗塞を起こしそうな血管だそうだ。

  温かき煎茶を淹れて大ぶりの茶碗にいただく朝のさきはひ

  コロナ禍に滅ぶるいのち非業なる最期なるべしたましひ怒れ

  曼殊沙華花咲く道を病院へとぼとぼ歩むにここは異界か

2021年9月16日(木)

爽やかな朝だった。やがて25℃、夏の雲。だんだん雲が増える。

  蛇口より下垂(しただ)る水のいつしかに冷たく感ず秋が来てゐる

  目玉焼きにミニトマト添へ朝食はフランスパンを(ぢぢい)よろこぶ

  四十雀鳴きつづけをり秋の昼

2021年9月15日(水)

朝から雨が上がり、青空が覗く。昨夜というか午前1時ころ目醒めてカーテンの隙間から窓の外を覗く。

  雨に濡れ車の尾燈の赤き色疾走してゆく闇を目に追ふ

案山子祭り

  田の中に()りてへうげて案山子どの稲の葉いまだ青きが残る

  桃の実やけふは熟れたる神棚に

2021年9月14日(火)

曇り空だが、暑くはない。川向こうの隣町へ買物に。

  手もとから落ちたる包丁が足を刺す夢醒めてしばし痛みを(おぼ)

  夢みればおほかた悪夢 鬱屈のあれば一杯の水を飲み干す

  狂気秘めて街衢(ちまた)を歩む男ひとり背黒鶺鴒わが前をゆく

2021年9月13日(月)

朝は爽やかだった。昼過ぎには28℃。夏が戻ってきたようだが、植生は秋を示している。

  萩に風はげしく揺れてわが行く手遮るやうに枝絡みあふ

  白萩もまじへ萩くさゆれてゐる乃木大将の死にたる日なり

  萩ゆれて昔の恋の捨てどころ

2021年9月12日(日)

今朝の「天声人語」に金木犀がすでに香りはじめていることを知るものの、このあたりではまだだろう。金木犀の木が少なくなっている。私にとって金木犀の香りは、一人の死者を思い出させる。鈴木正博。『海山の羇旅』の歌人である。学生時代からのわが親友であった。金木犀の花の香るころに急逝した。クモ膜下出血、突然であった。37歳。27年前になる。ああ。

「天声人語」には俳句が紹介されていた。「木犀をみごもるまでに深く吸ふ」文挾(ふばさみ)()()()

  木犀の花の香りに遠ざかり一人の死者のおもかげを追ふ

  木犀の香りに深く息を吸ふいのちをみごもるまでに息吸ふ

「日曜美術館」はルーブル美術館。

  聖女マグダラのマリアの像は手を合はすわれもいつしか手を合はせをり