朝方やんでいたが、以後一日雨だ。
しかしかしかしておとろへて命終あるか惚けてわからず
惚けてわからねばよきものをどこかにたしかなるものやありけむ
わからずに来るものならばまあいいとおもふもののさうはいかず
*
日夏耿之介『唐山感情集』
をんな仙人ぢゃ
孤山はつめたくして
をんな仙人のこゝろはのどやかぢや、
の名花はしばし中界の地にもあそび
蕊珠は美花はと上清の天にひした、
かげは水やそらなるあたりに落ちてんけり。
梅 仙女也
孤山冷かにして
仙女意飄然たり。
萼縁暫く遊ぶ中界也
蕊珠原と住む上静の天
影は水雲の辺りに落つ。
*
相馬御風編注『良寛和尚歌集』
かしましとおもてぶせいはいひしかどこのごろ見ねば恋しかりけり
【語義】「かしましと」は「やかましいと」「うるさいと」。〇「おもてぶせ」は「おもぶせ」同じく即ち「面伏」で「はずかしそうに」の意。
【大意】うるさいと恥しそうに云ったけれどこの頃遇わないでいると恋しく思われる。
【評言】この歌は「およしさにおくる」と詞書のあるものもある。「およしさ」の何物であるかはよくわからぬが、ある人の説にそれは良寛がしげく出入していた与板町山田家の女中であると云ったものもある。兎に角親しい間柄の女性であったにちがいない。この歌にはいうまでもなく一寸とした戯れ心が交じっている。またこの歌は「万葉集」巻三にある
否といへど強ふる志斐のが強ひがたり此ごろ聞かずてわれ恋ひにけり
から影響を受けている事も明らかである。