暑い、暑いのだ。
けやきの葉のさやさや声。ささやきの聴こゆるときをわが歩みゆく
エアコンの室外機に夜の明滅が映るひかりの反射寂しき
咳止めに吸入せむか日に二回コロナの後を安らぐために
小豆バー冷たき氷菓頬張りて暑さの夏を越へむとしたり

暑い、暑いのだ。
けやきの葉のさやさや声。ささやきの聴こゆるときをわが歩みゆく
エアコンの室外機に夜の明滅が映るひかりの反射寂しき
咳止めに吸入せむか日に二回コロナの後を安らぐために
小豆バー冷たき氷菓頬張りて暑さの夏を越へむとしたり

今日も暑い。リハビリが来るが、来週また入院だ
九階のベランダに来てゐる蜻蛉のその名覚えず黄色の胴体
みんなみの夕焼け雲のあかね色かへるとうたふ烏をりにき
山の上に入道雲の湧きだせる夏の山いつまでもあかね色して

朝方は涼しかったのだが、昼酷暑。また入院だ。
瀬戸内寂聴『ここ過ぎて 白秋と三人の妻』読了。文庫本ながら700ページある。しんどい読書ではあった。詩、短歌、童謡など多彩な作品を操る北原白秋に三人の妻がいた。最初の妻は俊子だが、隣家の夫に「姦通罪」で告訴される。二番目は章子、そして三人目が菊子。この菊子がもっとも長く、穏やかだったが、他の二人に関しては相当に激しい関係であり、とくに二番目の章子については、瀬戸内の筆も激しく、読みでがある。
目を盲ひし北原白秋。心弱くなり別れし妻をおもはぬものか
ここ過ぎてゆくよりなきか妻二人捨てて文芸の道進むもあはれ
小田原のみみづくの家にはしやぎしは江口章子なり離縁されにき
寂聴の書きしはおほかた二番目の妻のこと執拗に歎きたりけむ
寂聴は江口章子を好めるか多くを割きつ章子のことに

窓から入る風は涼しいが、やがて暑くなる。エアコンを使う。11:20からリハビリ。
朝がらすみなみの空に鳴き放つなにか申してをるかのごとく
7月11日、また世界から大切な人が去る。
惜しまれてクンデラも死すこの世から抵抗体のひとつが消えつ
雲中を三本のひかり折れ曲がり地上を撃てり雷神の怒り

今日も暑い。夏休み最後の休みだそうだ。
引き込み線を相鉄電車が音立てて朝の出立。青き車体に
引きこみ線に相鉄電車のきしむ音午前五時まへ窓より入り来
たはしが束子の格好でベランダにころがる束子はたはし

娘の誕生日。午前10時、さつきの山口さんとケアマネの久米さんがくる。昼過ぎ妹がくる。なんだか疲れた。
ペットボトルの水飲み干してけふの昼、熱中症はわれの敵なり
飲み干して空色に透くペットボトル二本を叩けば楽器のごとし
叩きあふペットボトルに奏でたる「さくらさくら」はただかしましく

咳は収まったのか。夕べは出なかった。
すずめ子の小さきが鳴けばかしましくこの地を歩むにすずめの声す
エポケーのごとくしづけし。中庭のあけぼの杉のまみどりの葉も
朝三粒、夕に二粒 退院の後も薬飲む。ルーティンを守り
