2022年2月6日(日)

今日は格別に寒い。立春はすぎたが、まだまだ寒い。

冬の朝はげしく羽をはばたかせひかりをまとふてすずめ翔びたつ

歌人の下村光男さんが亡くなっていたらしい。「かりん」2月号の田村広志さんの歌により知った。ネットを探ると昨年の11月4日だったという。ああ。『少年伝』は、いまだに憧れの一冊である。

『少年伝』下村光男死すと聞くああ百済よりはがき一枚

*ゆく春や とおく<百済>をみにきしとたれかはかなきはがききている 下村光男

あるパーティで一度だけお会いしたことがある。

『少年伝』好きですと告げればはにかみてことばすくなにわがまへを去る

2022年2月5日(土)

雲が多い。だから寒い。

火喰鳥のかたちの雲が迫りくる冬空高く奇怪(きつくわい)きっくゎい

北の部屋にスノーボールがおいてある。

玉ゆらのスノーボールの街のなか死者住むところか雪ふりつづく

ニューヨークのビルが逆さにころがりて阿鼻叫喚のごときが聞こゆ

2022年2月3日(木)

今日も寒い。

冬木々の森のあひだをかけぬける時間の鳥の朝の一声

呉明益(ウ・ミンイー)『歩道橋の魔術師』読了。1980年代の台北の中華商場の少年少女たちの不思議な世界を描いたこの小説にわたしは魅了された。

台北の昔に遊ぶ子どもらを惑はす歩道橋のうへの魔術師

節分だ。 二月三日節分の夜は鬼やらひ福豆六十六粒喰らふ