2022年7月31日(日)

6:56小田急線厚木駅を発ち、8:07小田原発のひかり633号で京都へ向かう。むすめとは小田原駅ホームで合流。京都10:12着。37℃予想が出ていたがホームに降りるとすでに猛暑が襲いかかってきた。荷物をロッカーに入れ、JR奈良線で宇治へ。結婚が決まったむすめと最後の修学旅行である。1日目は平等院を中心にあちらこちらへ。流れの豊かな宇治川を幾たびか渡る。福寿園のカフェで和菓子と抹茶。むすめは抹茶がにがてであり、ジュースを。昼は平等院の駐車場わきの茶店で私はうどん、むすめはそばを。京都の宿は四条新町百足屋町にある。百足屋町、すてきではないですか。

伊吹()を仰げばけさは青天にくきやかに聳ゆ京への道行(みちゆき)

宇治橋に水ゆたかなる川のながれこの川覗く昔男は

午前中すでに37℃。

猛熱にほだされてわれは昔男宇治の館へ忍び入らむか

クマゼミのすがた見つけて喜べるわれをあはれむやうなりむすめは

天上の浄土をのぞむ老いのすがた平安貴族は小さきものか

木があれば熊蟬のこゑしゃあしゃあと(うる)さきところわれらも過ぎむ

平等院鳳凰像のいかめしき顔貌夜半におもひ出づるも

2022年7月30日(土)

暑い。朝から30℃を越え、午後2時半現在34℃。池上彰と佐藤優の対話『漂流日本左翼史』読了。1972-2022年の左翼の衰退期をめぐっての対話。前二冊とともに興味深いものであった。「物事の本質に立ち返って思考することが重要」という佐藤優の発言に注目する。明日から娘と京都の夏の旅に行ってきます。二泊三日、報告は帰ってから。

チュツピーチュツピー

電柱から電線を経て木の(うち)にすがた隠して四十雀鳴く

林檎を八分割してその二つ食うべてけふのいくさにゆかむ

2022年7月29日(金)

朝から暑い。マンションの南側には、かつて物流倉庫があったのだが、解体され更地になったまま、もう何年になるだろうか。もともとは周囲をかこむように楠木や桜の木があった。それが斬り尽くされ、いまは全面夏草の生い茂る荒地である。まあ変な建物が建つよりはましだが、いつまでこの状態が続くのだろう。見晴らしがよくて、できうればこのままでいいのだが。

立ち騒ぐ荒れ草の原。放恣なる草ぐさみどり濃くして猛る

荒草のめぐりは照り葉やさくら木に夏の木の影しづかにありき

斬り倒されし樹木を惜しむ声があるこのマンションに人暮らしけり

2022年7月28日(木)

今日も暑くなっている。あけぼの杉の根元には今日も蟬穴はない。しかし油蟬が鳴き、今朝は熊蟬も聞こえる。

青山文平『やっと訪れた春に』読了。青山文平らしい泣かせる小説だ。意表をつくような書き出し。主人公が城の濠に落ちる。そこから二人の藩主を擁する橋倉藩をめぐる明暗が展開する。藩の平穏のその底に潜む哀切な深い闇。いやあ泣ける小説だ。

死ぬものと死にゆくものとを見尽くして老いを生きねばならぬもののふ

油蝉の鳴くこゑを聴く翌日(あくるひ)に熊蟬のこゑともどもに聞く

マンションの南の青き空にひびき熊蟬のこゑやがて消えたり

2022年7月27日(水)

今日は晴れ。朝は風があったが、その風が熱くなり32℃越え。

あけぼの杉の根元にいまだ蟬穴はない。

いつまでも蟬穴あかぬ中庭(パティオ)なり紫薇の朱の花も多くは咲かず

マンションの周囲(めぐり)に蟬のこゑ聞こゆことし初めての油蝉鳴く

2022年7月25日(月)

今日も朝から暑いのだ。海老名のスタバへ。中路啓太『昭和天皇の声』を読み終える。相沢事件、二・二六事件の岡田総理救出の顛末、鈴木貫太郎をめぐるドラマ、いづれも妻の存在が興味深く、そして昭和天皇の声。最後の「地下鉄の切符」、<1921.6.21>の日付をもつパリの地下鉄の切符。天皇とは、何と窮屈なものであろうかと思わずにはいられない。

若き日の地下鉄の切符を持ちつづけ昭和天皇は自由を夢む

天皇にも「ローマの休日」のごとき日のあれば少しく心温もる

いつぱいの朝の珈琲濃い目なりまづは目覚ましけふがはじまる

カフェには朝のたのしきひびきありコーヒー・ルンバに足拍子とる