娘の結婚相手の両親と会う。緊張した。生活歴が違いすぎるのだろうか。
七月十日朝しつとりと明けてくるもののふの国あやふかりしを
重信房子歌集『暁の星』を贖う。
やはらかなる心の襞をあへて隠すテロリストのおもひにわがおもひ重ぬ

娘の結婚相手の両親と会う。緊張した。生活歴が違いすぎるのだろうか。
七月十日朝しつとりと明けてくるもののふの国あやふかりしを
重信房子歌集『暁の星』を贖う。
やはらかなる心の襞をあへて隠すテロリストのおもひにわがおもひ重ぬ

今日も朝は涼しい。海老名高校の裏から大谷水門をまわって一歩き。
あふれだす大谷水門の水の量だくだく流れしぶきあげたり
水門に二つの流れに岐れゆくどちらも激しく波打ち流る
田んぼの近くの道路にはアメリカザリガニの残骸が散らばっている。どうやらカラスのせいらしい。
ざりがにの肉喰ひつくし固き殻棄つからすの母子
元三大師の絵のような足の長い黒い虫をつぶしてしまった。
元三大師のごとき手足のながき虫つぶせり国津罪を犯せり

朝は少し涼しめ。
野口冨士男『暗い夜の私』を読む。ここでも『なぎの葉考・しあわせ』について感想を述べたことがあるはずだが、この一冊もよかった。戦前・戦中・戦後の野口をめぐる若き作家たちの文壇状況が、さまざまな人の繋がり、エピソード、時代がもつ暗さが、丹念につづられている。太宰治の葬儀の夜の外村繁、十返肇との交友、「戦争は一つ一つ私から何かをうばっていく」などがわたしの心にふれてくる。今日はいろいろあったようだが、ふれたくもない。
沙羅双樹の葉をちぎりとりてのひらに載せて小さな葉を愛ほしむ
錯綜する葉脈を絵にうつしゆく夏つばきの葉のいのちの脈を

今日は少し涼しいのだ。厚木図書館に鷗外の歌の典拠を探しにいってきた。常磐会の詠草であった。
今夜は七夕、星はみえるだろうか。
電車待つホームに並ぶわかものら携帯扇風機をおほかた鳴らす
ハンディファンをわれも使へばわかものの仲間入りかもこの老耄も
老人にこそハンディファンは必要なり熱中症に死ぬるは老いの軀

京都旅の切符をJR海老名駅のみどりの窓口へ取りにゆく。
ペンギンが青空仰ぐやうにして嗽ごぼごぼ口からこぼす
匙加減てふわれには高度なテクニック大さじ、小さじに塩梅測る

台風4号は温帯低気圧に変わったが、今晩から明日にかけて雨が激しくなるらしい。午前中から降りだしている。
台風のさきぶれの雨あかるきに滴々とふるわがさす傘に
いきなりの雨にあわてて傘ひらく風に煽られお猪口のかたち
雨に湿つた空気は老いの体調を狂はせるこの肌のべたつき

今日は朝から雨がふったりやんだりで、おおかた曇り空。下の階でリノベーションの工事がはじまった。暑さはすこしやわらいだようだ。なんだか妙に『方丈記』を読みたくなって、何度目かの通読。短いのだ。こたびは十歳の小童との遊行のくだり、多く天変地異、火災など世の厳しさをつづる『方丈記』なれど、このくだりのみのんびりした穏やかさがあって、心にのこる。
あぢさゐの葉うらに大きなかたつむり雨のしづくに殻のみのこす
この数日猛暑のためかベランダに置く生ごみに小蠅も涌かず
十歳の小童つれて長明どの蝉丸社までさくらたのしむ
